授業が15分だけ!? 生徒や関係者に聞いた“教育困難校”のエピソード集
“教育困難校”という言葉を耳にしたことはありますか?
これは、生徒の学習態度や学力などが原因で、教育に困難が生じている学校のことです。
“学級崩壊”が学校全体に広がっているような状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。小学校、中学校にも見られますが、特に高校において現在大きな問題になっています。
時には進学校や高偏差値の高校などが、いじめや校内暴力によって教育困難校化していることもあります。
しかし、ほとんどの場合はいわゆる“底辺校”、学力が著しく低い学校が、教育困難校となってしまっているのです。
今回は、そんな学校にまつわる人びとにインタビューを行いました。伺った話をもとに、その実態を捉えてみましょう。
●(1)教室は“メイク会場”、授業は実質15分……校内の風景
まずは実際の学生や先生たちに、授業中の様子を聞いてみました。
『授業中、普通に立ち歩きますよ。何のためかって?うーん、友達としゃべるためかな。仲よしの子がいれば、隣のクラスとかも行きます。あとはまぁ、ロッカーに物取りに行くとか。先生が見て見ぬふりで、ずーっと普通に授業続けてるからウケるんですよね』(高校2年女子)
『朝行ったら、もう教室じゅうメイク会場だから(笑)。机にバーって化粧品広げて、3時間でも4時間でもかけてメイクしてる。教科書?持ってないですよ(笑) 。一度も持っていったことないかも。
みんなそうだから別にヘンとか思わなかった』(17歳女子/高校中退)
『テストは一応あります。事前に対策用プリントが配られて、そこにはテストに出る問題と模範解答が書いてある。当日の試験には、そのプリントが、まるっとそのまんま出題されます。だから前日にプリントを覚えてれば、まあ赤点は免れるってわけ。全部覚えれば満点取れるはずなんだけど、そういうヤツはいなかったですね。みんなギリギリでした』(18歳男子/高校中退)
『生徒がなかなか教室に入ってこないので、授業がいつまでも始められません。また、終了の15分前くらいになると、それぞれ勝手に立ち上がって帰り支度を始めます。そして口々に、「センセー、もう授業おわっていいよー」だの、「バイトなんで帰りまーす」だのいい始め、実際に帰ってしまいます。
45分間のうち、実質授業に使えるのは15分もないのが現状です』(50代男性/高校教師)
●(2)コンビニは出禁、校舎から怒号……近隣住民の話
続いて、近隣住民からはこんなエピソードが。