ピンピンコロリもつらい? 家族を突然亡くした人の体験談3つ
「ピンピンコロリ」という言葉がありますね。病気に苦しむことなく元気に過ごし、ある日突然コロリと逝くさまを表しているものです。
長患いで苦しむことがなく、家族に介護などの迷惑もかけないという点から、日本では理想の最期として捉えられることが多いこの「ピンピンコロリ」。
実際のところはどうなのでしょうか?本当に“いい死に方”なのでしょうか。
今回は、家族を突然死で亡くした人たちの体験談をもとに考えていきましょう。
●(1)苦しまずに逝けたようだった
『仲間たちが長い闘病の果てに相次いで無くなり、取り残されてしまった祖父。葬儀から帰ってくるたびに「アイツあんなに恰幅良かったのに、ゲッソリ痩せこけちゃってたよ。長患いはイヤなもんだ。
俺が死ぬときはコロっと逝きたいね」なんてこぼしていました。
そんな祖父が亡くなったのは2月の寒い朝のことです。釣りに行くため、いつものように車に乗りに行ったのですが、いっこうに出庫しない。不審に思った母が様子を見に行くと、運転席に突っ伏して意識を失っていました。あわてて救急車を呼んだのですが間に合わず、帰らぬ人となりました。
解剖の結果、死因は心筋梗塞だったそうです。
祖父の携帯には、倒れる直前に仲間に送ったらしい「今から行く。いい天気でよかった!」というメールが残っていました。
本人も、まさかこうなるとは思わなかったのでしょうね。死に顔は安らかだったので、苦しまずに済んだんじゃないかな と思ってます』(20代女性/会社員)
東京都監察医務院によると、突然死の中で最も多いのは急性心臓死だそうです。このエピソードのように、直前まで元気でメールまで送っていたにもかかわらず、バタリと倒れてしまうというケースも見られます。
突然の別れはつらいですが、本人が望んでいた通りに最期を迎えられたことは多少の救いになるかもしれません。こちらの方もお墓参りのたびに、家族とそんな話をなさっているそうです。
●(2)何にもしてあげられなくてつらかった
一方、いいことばかりではないと述べる人もいました。
『大学でひとり暮らしとなり、そのまま就職、結婚。実家にはほとんど顔を出しませんでした。
子どもが生まれて母の偉大さに気づいたものの、子育てのバタバタで帰省しないまま数年。いつか行こうと思ったまま、ずっと先送りにしていたんです。
そんな折、実家の父から電話がありました。