“働く”ってナニ? 仕事に疑問を感じ始めた新社会人へ贈る言葉
こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。
以前よく耳にした「五月病」という言葉は、最近あまり聞かれなくなったような気がします。
今の若い人たちは、せっかく正社員として就職できたのに五月病などといった甘いことを言わないのかもしれません。
しかし、5月ごろになってくると「この毎日、どうも違うな」と思ってしまうこともあるようで、「1か月やそこらで憂鬱になっているようでどうする」という気持ちと「でも本当にこの仕事でいいのだろうか」という気持ちのあいだで揺れ動く若者の不安な心理は、昔も今も変わらないように思えます。
筆者は35年間の職業生活の半分を“雇われて働く者”として、半分を“自由業・自営業者”として生きてきました。
その筆者の経験から、5月の新社会人のみなさんに、みなさんの実際の毎日の生活の中で反すうしていただくとよい言葉 を贈りたいと思います。
新社会人のお子さんを持つパパ・ママにも、子育てという日記の最後のページにはさんでおいていただければと存じます。
●誰にでも“支配されずに生きる自由”があるが、それは“年中無休”の覚悟を伴う
筆者に限らず“脱サラ”を経験したことのある人なら誰でも知っていることではありますが、会社勤めを辞めてしまえば、もう口うるさい上司もいなければ自分の陰口をひそひそ話す同僚もいません。
しかし生活はしていかなければなりませんので、さしあたりネット・ショップを開店するにしてもクラウド・ワーキングで稼ぐにしても、自己管理を徹底して損益分岐点以上の収入を得なければすぐに行き詰まってしまいます。
カレンダーが数週間先・数か月先まで真っ黒になるくらい次の仕事のスケジュールで埋め尽くされているようでなければ不安で不安でやっていられませんし、納品する商品の品質は100%自分が責任を持たなければなりません。
つまり、新社会人のみなさんは今の会社に出勤するのが憂鬱で憂鬱でしょうがないのであれば、誰にでも会社を辞める自由があり組織や上司に支配されずに生きる自由があるのですが、それは即ち“年中無休”で何もかも自分ひとりで自己管理しながら生きていく生活の始まり を意味するということです。
廃墟や廃線といった題材の写真で有名な写真家の丸田祥三さんは、今から15年も前に朝日新聞に寄稿されたエッセイの中で、大学を卒業後5年間勤めた会社を辞めたときの心境について次のように書いています。