夢はユーチューバー? 男子中高生が将来“ものづくり人”になりたいワケ
こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。
さきごろ、『ソニー生命保険株式会社』の調査で男子中学生の“将来なりたい職業”第3位に「You Tuber」が入ったことが話題になりました。
ところがこの調査結果、もっとよく見てみると中学生も高校生も男の子が将来なりたい職業ベスト3は「You Tuber」のみならず、 広義での“ものづくり”系の仕事で占められていることがわかります。
今なぜ男の子の夢は“ものづくり人”なのか?その理由を考えることで男の子を育てるヒントを探るとともに、男の子を育てるコツについても考えます。ご一緒に考えてみましょう。
●上位5つの職業中4つまで“ものづくり”系の仕事が占める中学生男子の心情
ソニー生命保険の意識調査の集計結果によりますと、中学生の男子について見るならば“将来なりたい職業”の第1位は「ITエンジニア・プログラマー」で24.0%、第2位は「ゲームクリエイター」で20.0%、第3位は「You Tuberなどの動画投稿者」で17.0%でした。
そして、第4位にようやく“ものづくり”系以外が登場して、「プロスポーツ選手」の16.0%、第5位はモロに「ものづくりエンジニア(自動車の設計や開発など)」で13.0%でした。
同じ中学生でも女子だと3位にランクインする「医師」(女子の13.0%)は9位(男子の9.0%)、女子だと堂々の1位となった「歌手・俳優・声優などの芸能人」(女子の19.0%)はベスト10圏外という結果だったのです。
中学生男子においては“なりたい”上位5つの職業中4つまでが(ソフトウエア・ハードウエアの別を問わず)何らかのシステムやゲームや乗り物や機械などを“つくる”仕事が占めている ことがわかります。
筆者自身もそうなのですが、今わが国で中学生の男の子を持つパパ・ママとしては、わが子のこの心情をまずは理解してかからないことには、「かみ合った子育て」がなかなかできないのではないかという気がするのです。
では、中学生の男の子たちのこういった心情についてもう少し考えてみましょう。
●“縁故資本主義”がもたらす無力感が蔓延した時代でも「ものは裏切らない!」
この年代の少年たちがどうしてこれほどまでに“ものづくり人”を志向するのか。筆者はその理由を彼らが「ものづくり以外の仕事はチャンスが平等ではなく、夢がない」