比較しちゃダメ? 男の子の“兄弟育児”で気をつけるべきポイント
こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。
多くのママたちから、男の子兄弟の子育てについて相談が寄せられます。
活発な男の子たちを前に、「何を考えているかわからない……」と途方にくれているママもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、兄弟育児でママが気をつけたいことについて紹介します。
●男の子の特性を理解する
一般的に、男の子は“競争”を好むといわれます。たとえば、このような会話を耳にしたことはないですか?
・Aくん「僕はカブトムシを2匹捕まえたよ」
・Bくん「僕はカブトムシを7匹捕まえたよ」
・Aくん「でも、僕はカブトムシを家で20匹飼ってるよ」
・Bくん「僕なんか、カブトムシを家で30匹飼ってるよ」
このように“1番”が大好きな子も多いですよね(笑)。
このような男の子の特性をふまえると、兄弟育児では気をつけたいポイントがいくつかあります。
そのうちの一つは、兄弟の場合には能力の面で“下の子は上の子に負けやすく”、下の子は一番になれない という状況を多く経験するということです。
そうなると、下の子はママが思っている以上に自信をなくしてしまったり、負けてしまっている自分を納得させる術を身につけたりしてしまいます。
たとえば、わが家の次男の場合も、大人の目線からみると十分なパフォーマンスをしているのですが、長男と比べているため「できない……」と落ち込むことがあります。
大人からみると、2歳という年齢の差があるため、お兄ちゃんよりもできないのは“当然”なのですが、子どもにはそういった視点が欠けているものです。
またあるときは、運動会の練習で1番になれないことに対して、「(初めから)2番を狙っていたんだよね」などと、変なアピールをしていました。数日後、「今日は1番だった!」と喜んでいる姿をみると、やはり1番になりたかったようです……。
このような男の子の特徴をふまえると、下の子にはお兄ちゃんとの比較ではなく、“今”の状態に注目できる ような声かけを意識したいものですね。
たとえば、「○歳でそんなことができるんだ!ママはすごいなって思うよ」「年長さんなのに、そんなに早く走れるの!かっこいいな〜」など、お兄ちゃんと比べて“できない自分”という基準から、自分(年代)の中で比べられるような声かけを心がけましょう。
ちなみに、これはお兄ちゃんにも活用できます。