あなたの老後は大丈夫?噂の”下流浪人”にならないための対策
将来“下流老人”にならないために今からできる対策
こんにちは、金融ライターの齋藤惠(めぐみ)です。
今回取り上げたいテーマは"下流老人"。
かつて2015年の新語・流行語大賞の候補としてノミネートされ、一気に世間に広まった言葉です。
下流というとあまり聞こえの良い言葉ではないのですが、あえてこのテーマを扱うことで、私たちの将来に潜む課題と今からできるお金の対策についてご提案したいと思います。
目次下流老人の本当の意味とは?どうして下流老人になってしまうのか?下流老人にならないために今からできること
●下流老人の本当の意味とは?
そもそもの発端は、NPO法人代表・藤田孝典さんの著書『下流老人』がはじまりです。
本の中で、下流老人とは『生活保護基準相当で暮らさざるをえない高齢者と、その恐れがある高齢者。
月額13万~18万円程度の年金、年150万~200万円程度の基準で暮らす人 たち』と具体的に説明されています。
藤田さんはこのネガティブとも取れる言葉をあえてつくることで、現代の高齢者が抱える貧困問題を世間にもっと知ってほしいという願いを込めたそうです。
●どうして下流老人になってしまうのか?
下流老人になる理由は、単に「若い頃に貯金を怠っていた」からだけではありません。
実際に生活に困っている高齢者の実状を紐解くと、止むに止まれぬさまざまな理由がありました。
急な病気によって収入が絶たれ、高額な治療費と生活費のために貯金を切り崩さざるを得なくなった
子どもの病気やワーキングプアが原因で、年金や老後の貯金を子どもの介護や生活費に使ってしまう
熟年離婚などがきっかけで独り身となり、生活に困っても助けてもらえる拠り所がなくどんどん孤立化していく
このように、一時期までは普通の生活をしていてある程度の蓄えを持っていても、ある日突然、貧困状態に陥ってしまう ことが将来的に考えられるのです。
下流老人は人ごとではない!今のうちから老後を意識した生活を!
老後までまだまだ余裕がある人たちにとっては、「今からできることは限られているのでは?」「若いうちから老後を心配するなんて、ネガティブな生き方だ」と感じるかも知れません。しかし現状でこのような問題が起こっている以上、自分のこととして今のうちから備えておくことは決して無駄にならないと思うのです。
人生の終盤でお金にも心にもゆとりを持って暮らすために、早い時期からお金などの準備をしておくことは、これからますます必要になっていくことでしょう。