今は不寛容な時代? 子どもと電車に乗る際の注意点は
こんにちは。エッセイストの鈴木かつよしです。
最近では、子どもが泣いていると、『黙らせろよ。どんなしつけしてるんだよ』 などと大声で言う人が実際にいます。
このような“不寛容の時代”に子どもと電車に乗る際の注意点について、今回は考えてみようかと思います。みなさんもご一緒に考えてみませんか?
雪の朝の超満員電車での教訓
何年か前の冬。東京に大雪が降った朝のことでした。いつも通勤に使っている京王線が不通になったため、雪道を30分以上歩いて乗った小田急線の電車内での出来事です。
雪で自転車が使えず保育園に送るために2歳くらいの女の子を抱っこした若いお父さんが乗ってきました。
ぎゅうぎゅう詰めの電車に、それでもじっと我慢して乗っていた女の子が次の次の駅で降りる際、履いていた長靴が脱げ落ちてしまったのです。
そのときの車両の中の乗客の反応といったら、昭和後期世代の筆者にとっては考えられないようなものでした。誰一人として同情するどころか『ちぇっ』 という舌打ちの嵐が起こり、『いい加減にしてよ』『最初から乗せんなよ』といった声があちらことらから上がったのです。
筆者は身動きできない車両の中で足でまさぐって長靴を探り当て、親子に渡して電車を降ろしました。困っている親子を助けることもなく、それどころか舌打ちの嵐が起きるという通勤時間帯の満員電車の現実。
こんな電車に小さい子どもを連れたパパ・ママが乗らざるをえないときの注意点として実感したことは、『乗る前に子どもの靴を脱がせておく』 ということです。
グズりがひどいときには…
言って聞かせれば少しは聞いてくれるような年齢になっていればともかく、まだ乳児期の赤ちゃんと一緒に電車に乗る場合は、大泣きやひどいグズりはある程度覚悟しておかなければなりません。
筆者夫婦などは長女がまだ乳児だったころ乗った電車でひどくグズったものですから筆者が持っていた新聞を大きく広げてカーテンの代わりにし、妻が授乳したという経験があります。
でもこれは、日曜日の昼間のかなり空いた電車であったことと、当時の世の中が今ほどギスギスしていなかったという背景があったから出来たことでした。
その長女も3歳の男の子の母親になった今、あらためて確信していることがあります。それは、『グズりがひどいときには何度でもいったん下車してホームで風に当たる』 ということです。