騒音だけじゃない! 「保育園vs近隣住民」のトラブル例に学ぶべきこと
【神戸市の某保育所】
近隣住民とのトラブルが訴訟に発展。保育園の近くにドクロの絵が描かれた看板を貼られるなど、地域住民による嫌がらせ がエスカレートした。
【2014年、東京都国分寺】
「子どもの遊ぶ声がうるさい」という理由で、園児の保護者を手斧で脅した男が逮捕される。ケガ人等は出なかったが、容疑者はこの事件を起こす前に、5年ほど前から「保護者のマナーが悪い」「子どもの声がうるさい」と市に苦情を言ったり、保育園に脅迫めいた電話をかけていた。
【2008年、ドイツ】
2つの幼稚園に対して、高等行政裁判所から閉鎖及び移転の命令が下された。地域住民から「騒音」へのクレームがあり、判決が出た当時は「住宅地の静けさを侵した園側に非がある」という判断だったが、世論がこれを激しく批判 。3年後には「子どもの声を騒音として扱ってはいけない」という条例が出された。
大きく報道されているもの以外にも、さまざまなトラブルが起こっています。
『目の前の幼稚園は駐車場が狭いようで、親が堂々と違法駐車 していくのでクレームの電話を入れてやった。園バスもあるのに、車で送迎する親がいるのがまずわからない』(北海道・50代主婦)
『近所の保育園の玄関で立ち話をしているママさんたちがたくさんいる。全然わが子のことを見てないから、子どもが除雪車に近づいたり見ている方がヒヤヒヤ。ママさんの集団に文句を言ったら微妙な反応だったので、保育園に電話した』(岩手県・40代会社員)
『近所の病院に隣接された保育園なんだけど、無認可なんでしょうか?壁が薄く、一般家屋を改造した程度の設備。とにかく声がうるさくて、夜遅くまで子どもたちがいるので何度か苦情を言っている。数年経ってしまったが、このまま行くと出るところまで出なくちゃいけないのかな?』(北海道・60代無職)
さまざまなトラブル事例を見ると、関係者がお互いに少しずつ譲歩する以外、解決策が無いように思われます。
●人ごと、では解決しない。関わるすべての人々に求められる「歩み寄り」
それでは、保育園vs住民のトラブルを解決するためには、具体的にどのように歩み寄りを進めればよいのでしょうか?過去の事例を鑑みて、筆者なりにまとめてみました。
●経営者側
トップダウンで「ここに建設することになったから」で、先にそこに住んでいた人たちが納得するわけがありません。