人間不信に陥る可能性も!? “脅し育児”が子どもに悪影響を与えるワケ
【ママからのご相談】
こんにちは。20代のママです。先日の七飯町の行方不明事件、ハラハラしていましたが、見つかって本当に良かったです。
あの子のお父さんがしたことは「虐待」だとか「脅し育児」だとか批判されていますが、私も(実際に置き去りにしたことはないけれど)「置いていくからね!バイバイ!」とか言ってしまうことがあります。
それから私は東北在住なんですが、こちらには小さいころからナマハゲの存在があり、みんな日常の中で“脅し”的なものは使っている気がします。悪いことをしたら鬼が来るとか。
子どもを叱るときにちょっとした脅しを使ってしまうことって、そんなにダメなことなんでしょうか?
●A. 「脅し育児」が良くないワケをご説明します。
こんにちは!批判を恐れず申し上げますが「ナマハゲ」「節分」「泣き相撲」大っ嫌い、「ハロウィン」大好きなライターの月極姫です。
たしかに、日本の古くからの風習の中には、小さい子をあえて脅したり泣かせたりして喜ぶような行事が多いですよね。
かといって諸外国にも虐待など育児の問題は山積みなわけで、そうした風習が諸悪の根源、というつもりはありません。
個人的には、子どもを脅かしたり、泣かせてクスクス笑うような大人は下品で自信がなさそうな感じがするし、子どもに“お化け役”“脅し役”を任せてオーバーに驚いてあげる大人の方が、余裕がありスマートな印象を受けます。
児童心理学者には「脅し育児」 に反対される立場の方が多いですが、その理由としては「脅しで従順になり、表面的に言動が改善されることはあるが、精神面ではショックが残り、後々弊害をもたらすことがあるから」というのが一般的です。
たとえば臨床発達心理士の秦野悦子先生は
『親の権力を振りかざし、ときに脅しや体罰を交えた育児スタイルは、力の強いものが弱い者をねじ伏せてよいという関係を学習してしまいます』
と述べられています。そうやって成長すると、自分が優位に立てるときだけ強い態度に出て、そうでないときは卑屈になってしまう、バランスの悪い大人になってしまうことがあるようです。
もちろん、「怖いから、悪いことはやめておこう」という動機で、一時的に不適切な行動が抑制されることはあります。しかし、子どもが成長して“親による恐怖政治”が終わったときに、簡単に道を踏み外す可能性があると指摘する学者もいるのです。