放置じゃ絶対治らない!? “引きこもり”が男性に多いワケと抜け出す方法
こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。
あるアンケート調査によると、わが国では約3割の人が「身近に引きこもりがいる」と答えています。
また、1970年代から始まったと考えられている引きこもりは、今やその数が50万人から100万人(ないしそれ以上)に及んでいるとされ、その8割が男性であると言われています。
引きこもり治療の専門家で『社会的ひきこもり―終わらない思春期』の著者でもある精神科医の斎藤環さんは、引きこもり治療においてもっとも成果を上げている方法は『ひきこもる人たちの緩い共同体を作ること』だと言います。
なぜそれが成果を上げるのか。その理由は「ひきこもり状態の若者同士でも出会い、理解し合い、親密になるというプロセスを経験することによって“欲望”を持ちやすくなるから」という主旨の説明をされています。
●男性は自分の主体を立てないと欲望を持てない
斎藤環先生はその著書やマスコミから受けるインタビューの中で、『男性はまず自分の主体を立てないと欲望を抱けない』と述べています。
どういうことかと言いますと、男性の場合は「自分は男で、こういう社会的地位がある」といったように主体がハッキリしているほど欲望が持ちやすい 。
明確なイデオロギーを持っている政治家が欲望でギラギラしているさまを見ればよく分かりますよね。
これに対して引きこもっている男性は「以前ちょっと働いたこともあるけど非正規雇用で社会的地位はゼロ。自分にとっても自分の価値はゼロ。自分の欲望が分からないので社会に参加する意欲も起こってこない」という悪循環に陥っていると、斎藤先生は指摘しています。
一方で女性の場合は主体を立てなくても欲望を持てると斎藤医師は言います。
男性と比べて社会的地位にこだわらなくてもいいため、
・「ただ孤独でいたくないから女子会でおしゃべりして楽しければいい」
・「正社員で就職できなければ結婚して夫や子どもとの家族の絆を大事にしながら過ごせればいい」
といったような、シンプルな欲望を持てる傾向があります 。
だから女性は「ひきこもる必要がない」というのが斎藤先生の分析です。
●コンビニやゲームセンターにいる男子たちは仲間と繫がることで生きる欲望を維持している
引きこもり治療の分野で実績が豊富な千葉県船橋市の『あしたの風クリニック』(旧『佐々木病院』)