放置じゃ絶対治らない!? “引きこもり”が男性に多いワケと抜け出す方法
のホームページによれば、
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『ひきこもりとは思春期・青年期に起きる問題で、6か月以上自宅にひきこもって社会参加をしない状態が続き、ほかの精神症状がその第一の原因とは考えにくいもの』
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とのことで、対人恐怖、脅迫症状、家庭内暴力、不眠、抑うつ気分、摂食障害、心気症状などの多彩な症状が随伴するといいます。
斎藤環先生によれば、『まったく治療的な援助なしで自然に立ち直った事例は皆無に近い 』とのことで、その意味では“うつよりも深刻な精神神経科分野の問題”と言うことができるのかもしれません。
筆者の妻の親族にも10代後半からずっと引きこもりで今はもう50代に突入した男性がいます。
彼は引きこもる中で高齢の親を介護・支援するという“使命”と出会うことによって、定職に就かない人生ではあったけれど、純然たる引きこもりとは言い切れない社会参加の機会を得たと言えます。
これなどは、「息子を何とか引きこもり状態から脱出させたい」と願ってきた両親が年老いて行くなかで今度は自分が両親の力になりたいという彼なりの“欲望”が具現化した、“例外的な引きこもりの治癒例” だったのでしょうか。
そうかと思うと、コンビニやゲームセンターでたむろしている男子たちは“仲間と繫がっている”という楽しさで生きる欲望を維持している。
斎藤先生流に言うなら、「生産性や創造性は極めて乏しいけれど、みんなとLINEでつながったり、たまって話しているときだけは自分らしさの手ごたえを感じることができる」というわけです。
●引きこもりから脱出する唯一のカギは“欲望”。
男子は何でもいいから欲望を持って!
その“たむろ男子”たちにしても、ひとたび仲間の外に出ると自分が何者だか分からなくなり、主体が立てられないので欲望を持てなくなる。
斎藤環先生は、『かっこ悪くてもなんでもいいからとにかく欲望を持ってくれ!』と言います。そうでないと人が人の形を保てなくなると。
このように考えてくると、筆者自身も男性に生まれて56年という時間を引きこもることなく何とか生きてこれたのは、10代の半ば頃に芽生えた“異性からよく思われたい” という欲望があったせいではないかと思います。欲望はある面で創意工夫を生み、努力を生みます。
妻の親族の男性にしても、引きこもりの男性には異性のパートナーが得られないという大きな問題があり、そこがまた引きこもりの人の葛藤を長引かせる原因にもなっています。