絵本は卒業!? 小学生になった子どもに文字ばかりの本を読ませるコツ
寝る前だったので、目を閉じて聞いていることも多かったし、“耳で聞く”ことに集中していたと思います』(30代ママ)
脇明子氏は、字が読めれば本が読めるという認識は間違いで、本を読むためには『一文字一文字を読むことでなく、言葉をもとに想像力を働かせ、内容を理解し、物語の展開についていくこと』が肝心だといいます。
しかし、映像メディアに囲まれて育っている現代の子どもは自分でイメージを作ることが苦手になってきているそうです。
絵本が好きという子の中には、「絵を眺めているのが好き」という場合もありますね。
絵本の話のストーリーよりも“絵”に惹かれて“見ている”状態のようです。これだとなかなか文字ばかりの“本”の世界には入って行きづらいですね。
脇明子氏も、『絵のない物語か、絵はあっても挿絵程度の本をしっかり読み聞かせる』ことの重要性を著書の中で述べています。
小学生になると字を読むことに慣れてほしいとの気持ちから、「自分で読みなさい」と言ってしまいがちですが、その前段階として“絵の少ない絵本”や物語を読み聞かせることが大変重要 なのだそうです。
読み聞かせというと“幼児”に対して行うことのように感じますが、小学生や中学生にもたくさん良い効果をもたらすそうですから、小学生になってからでもまだまだ十分間に合いますよ!
絵本の読み聞かせを落ち着いて聞ける年齢になったら、少しずつ“絵が少ない絵本”“絵のほとんどない本”を読み聞かせして、頭の中で想像力を働かせるトレーニングの機会を作るとよいですね。
想像力が育ってくると、一人で本を読んだときにその想像力に助けられて読み進められるようになるようです。
ご相談者様も、ぜひ本の読み聞かせをしてみてください。
長いお話は何回かに分けて読んでもよいですね。我が家も寝る前に読み聞かせをしていましたが、10分間を毎日続けると、1週間でかなり厚い本でも読みきれました。
そうこうしているうちに、10分の読み聞かせで先の展開が気になってたまらなくなり、次の日の朝、息子が自分で続きを読んでいたこともありました。
長い物語は最初の部分を越えると急におもしろくなってくる場合も多いですよね。そこを子ども一人で越えられない場合も、読み聞かせだとすんなり通過していけるのでおすすめですよ。【参考文献】
・『読む力は生きる力』脇明子・著
●ライター/パピルス(フリーライター)
●モデル/前田彩(桃花ちゃん)