ガンでも100歳超え!? 病気をしても長生きできる“多病息災”の生き方
二人目はかつてわが国の最高齢者であった116歳の女性です。
最期は癌で亡くなったその女性を死後に解剖してみたところ、癌は肝臓や腹腔内にまでひろがり、きわめて広範囲に転移していたそうです。
それなのに彼女は116歳で亡くなるそのときまでずっと元気だったとのこと。
土肥先生はこの女性の例をあげて、『多病息災という生き方・心の持ち方で暮らせば、たとえ進行癌があったにしても癌の症状が表面に出ないことがあり得る 』と述べておられます。
●多病息災の生き方とはどのようなものか
それでは、土肥博道先生がおっしゃる“多病息災”の生き方とは、どのようなものなのでしょうか。
土肥先生が旧姓の“佐藤”博道というお名前だったころの著書に、『多病息災にくらす健康生活術』という本があります。
その中で先生は、筆者なりに要約するなら次のような主旨のことをおっしゃっています。
“健康だけが価値をもつかのように考えるのは間違いである。
とくに超高齢化社会を迎えつつあるこれからの時代、加齢に伴って免疫力が低下した高齢者が人口のうちの多数を占めるというのに、「無病息災」でいこうなどと考えるのは非現実的。
1つも病気がない状態を目指すのではなく、7つも8つも病気があって、なおかつ治りにくいと言われるような病気もあるのに、そんなことに気を取られないで病気と上手く付き合いながら生きていくことが大切である。
誰かの役に立ち、自分が夢中になれる仕事や趣味に没頭しながら今を生きる 。このような姿勢で生きてさえいればシスター・メアリーらのようにアルツハイマー病になっても癌になっても、普通の生活ができるのである。これを「多病息災」の生き方と言う”
●周りを見まわしてみれば“多病息災”で生きている人は意外と多い
冒頭の話に戻りますが、筆者の義理の両親は二人とも“多病”であるにもかかわらず、“息災”(無事であること)で、いよいよ百寿者に近づこうとしています。
でも筆者の義理の父母だけでなく、周りを見まわしてみると“多病息災”で生きている人はけっこう多いのではないでしょうか。
わが国を代表する俳優さんで白血病や胃癌を患いながら、まるで「そんなことは大したことではない」と言うかのように精力的に国内外で活躍されているかたがいます。この役者さんは筆者と同い年でもあるためその生き方はとても励みになります。