意外と知らない!? ファッション用語「こなれ感」と「抜け感」の意味とは
『動きにくいから自分はしないが、カーディガンを肩掛けする』(30代/5歳の男の子のママ)
●抜け感
さて、次に“抜け感”についても同じような意見が多く聞かれたのでご紹介したいと思います。
『最近、「抜け感」「抜け感」とうるさいくらいに聞くけど、一体どういう意味なのかわかりません。先日美容院に行ったら、「ここを切ったほうが抜け感が出ていい感じになると思う」とか言われて髪をいつもよりたくさん切られた。結果、結べなくて面倒な髪型になって最悪。美容師は「抜け感」と言っていれば何とかなると思っているフシがあって腹が立つ』(30代/3児の母)
メイクや髪型を語るときに、この“抜け感”発言を聞かない日はないと言えるのではないでしょうか。
「抜け感」とは、実用日本語表現辞典によりますと、
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『主にファッションや化粧の、きっちりしている中にナチュラルさや雰囲気の柔らかさ等が滲むようなスタイルを意味する言葉。意味に厳密な定義はなく、広く人の見た目に関して使われる言葉である』
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とありました。
きっちりしている中にナチュラルな雰囲気を醸し出すというのは、かなり難しいことですね。
どうしたら“抜け感”を出すことができるのでしょうか?
雑誌などでは、ファッションや髪型に“わざと”隙をつくるというような意味合い でも使われています。具体例を考えてみましょう。
・“手首・足首を見せる”ことで、隙がある雰囲気を演出
・“あえてスニーカー”でハズす
などです。
これは、抜け感を解釈するときによく遭遇する具体例なのですが、全身きっちりしていると見ている側に緊張感を与えてしまうということを鑑みて、あえて“外し”を演出すること=抜け感ということが言えると思うのです。
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お分かりいただけましたか?
ファッション用語では、“当然みんなが知っている”という常識が、実は“ざっくりとした感覚”でしかないということがたくさんあります。
今回例に挙げた2つもその代表のようなものです。実はよく知らないが、感覚的に知っていればOKのような流行言葉。それは時代背景に大きく影響を受けています。
昨今、人間関係も希薄になりつつあるので、会話は上辺の雰囲気で伝われば良しという風潮 がありますよね。
これは良いことでは決してありませんが、時代の流れを感じずにはいられません。