子育て情報『選手の情熱を掻き立てるのが指導者の務め、全国制覇複数回の元流経柏・本田裕一郎監督が語る目標達成への「早道」とは』

2020年7月14日 12:18

選手の情熱を掻き立てるのが指導者の務め、全国制覇複数回の元流経柏・本田裕一郎監督が語る目標達成への「早道」とは

少なくとも4月いっぱいまでは全員が自宅待機することになったのです。

もともと「日本サッカー界もオフシーズンを設定すべき」と主張し、定期的な休みを取ることに前向きな本田先生にとっても、これは予期せぬ出来事。45年超の高校サッカー指導者人生の中でも初めてのアクシデントだと言っていいでしょう。そんな時だからこそ「選手のことをより知りたい」という思いが強まり、休部期間に彼らがどんな過ごし方をしていたかを調査してみたといいます。

「2月末から3月19日までの約3週間に何をしていたかを尋ねたところ、1日の生活は睡眠が約8時間、食事は家族のいずれかととっている選手が多かったですね。ただ、勉強はほとんどしておらず、読書をしたと答えた者も皆無に近かった。スマホでSNSなどで流れてくるニュースを見る子もいましたけど、それを含めてもニュース記事などに目を通していたのは1日1時間以内。活字に触れる時間が極端に減っているなと考えさせられました。


外出は1日5時間以内。外で走っていた者、ボールを触っていた選手、買い物に行った選手などさまざまでしたが、それ以外は外出自粛を意識して自宅にいたようです。その多くの時間を(ニュースチェック以外の)スマホ利用と向き合っていたというのはやはりもったいないと感じました。

生徒の行動調査をしたのは私自身も初めてでしたが、練習がストップし、時間が空いたことで見えるものもありました。彼らの行動をしっかりと把握したうえで、再開後の部活動に役立てたいと思っています」

こうやって目の前の事態を冷静に受け止め、臨機応変な対応を取り、先の段取りを考えていくのが本田先生流のやり方です。何度も全国制覇を達成し、数多くのプロ選手を輩出してきたベテランの発想力や行動力はやはり特筆すべき点でしょう。そこは多くの指導者に見習ってほしいところです。

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選手の情熱を掻き立てるのが指導者の務め、全国制覇複数回の元流経柏・本田裕一郎監督が語る目標達成への「早道」とは


本田裕一郎(ほんだ・ゆういちろう)
1947年5月1日、静岡県生まれ。
順天堂大卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に千葉県立市原緑高校サッカー部監督に就任し佐々木雅尚、宮澤ミシェル、石井正忠らを指導。その後86年に習志野高に転勤し福田健二、広山望、玉田圭司らを指導し、95年のインターハイで初の日本一に。2001年より流通経済大柏高に赴任し、2007年の全日本ユースを皮切りに5度の全国制覇を成し遂げた。

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