暑熱順化できていない大人の方が要注意! ビールがおいしい夏に気を付けたい熱中症対策
夏の暑い時期は、お酒の前に水や電解質(イオン:ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラルのこと)を含んだ飲料を飲み、体内にしっかりと水分を取り入れてから、ビールなどアルコールに口をつける。これは熱中症対策だけでなく、体調管理の観点からも覚えておいた方が良さそうです。
「日中、暑いところにいて、室内に戻ってきて飲むビールは美味しいですよね。喉が乾いた状態で飲みたい気持ちはわかりますが、理屈から言うと、脱水の状態で飲むことになるので、体に負担がかかる場合もあります。まずはチェイサー代わりとして、水で体内を潤してからのほうがいいと思います」
■飲酒は脱水になりやすい!遅くまで飲んだ次の日は普段より多く水分を摂ろう
また、「お酒には興奮作用、利尿作用があり、脱水になりやすい」と注意をうながします。
「前夜にお酒を飲み、翌朝に寝不足&脱水の状態で炎天下で活動すると、熱中症になるリスクが高まります。前夜に深酒した翌朝は、普段よりも多く水分をとるなどして、とくに気をつけてください」
ほかにも気をつけたいのが「高齢者の熱中症」です。サッカー観戦時だけでなく、エアコンをつけていない室内で熱中症になるケースも増えており、注意が必要です。
「まず、お年寄りは喉の乾きを感じにくく、体内の水分量も、年齢を重ねるにつれて少なくなっていきます。ほかにも、糖尿病などの持病をお持ちの方は脱水になりやすい傾向にあります。おしっこが出やすいので、体が乾きやすく、脱水や熱中症になりやすいのです」
■電解質を含んだ飲料をこまめにとって
子どもや体力のある成人であれば、暑さに慣れる「暑熱順化」も必要ですが、活動量の少ないお年寄りにそれを望むのはむずかしいので、渡部さんは「室内にいるときはエアコンをつけましょう」とアドバイスを送ります。
「高齢者の中には『なるべくエアコンはつけない方が良い』とお思いの方もいらっしゃるようですが、現代の暑さをエアコンなしで乗り切るのは、体調管理の観点からも危険と言わざるを得ません。ですので、暑さを感じたらエアコンをつけること。そして電解質を含んだ飲料をこまめにとることですね」
同様に、試合観戦に向けては、軽装を心掛け、帽子をかぶり、会場では子どもたちを間近で見たくなる気持ちもわかりますが、なるべく屋根のある日差しの当たらない風通しの良い場所を選ぶよう心がけてください。