2020年度はプロ12人輩出! "常勝・明治"が追求する、徹底的な個の強さとは?
関東大学サッカーリーグで2連覇中の明治大学サッカー部。2020年度の卒業生は12人がプロになり、多くのJクラブで活躍中です。2019年度には大学5冠を達成するなど、輝かしい成績を残す"常勝・明治"。チームを率いる栗田大輔監督のモットーとは?
発売中の栗田監督の著書「明治発 世界へ! 明治大学サッカー部監督・栗田大輔の結果を出し続ける、組織マネジメント論」(竹書房)から一部を抜粋し、紹介します。
(構成・文:鈴木智之)
関東大学サッカーリーグで2連覇中、常勝・明治が追及する「個の強さ」とは
■強い個人がクリエイティブにプレーする
明治大学サッカー部には、前任の神川明彦さんが作った「三原則(球際、切り替え、運動量)」という言葉があります。それをベースに、私は選手たちに「強い個人がクリエイティブにプレーすること」を求めています。
なかでも大事にしているのは「徹底的な個の強さ」です。それをサッカー面と人間性の両方で追求しています。
大学は最後の育成の段階です。そこですべきはエンジンを大きくすること。車にたとえるなら、カローラよりもポルシェの方がスピードが出ます。なぜならポルシェの方が、エンジンが大きいからです。
サッカー選手としてのエンジンが大きければ、どのようなサッカーにも適応することができます。プロに進めば、様々な監督がいて、多様なスタイルがあります。ひとつのクラブでも監督が変われば戦術が変わり、求められるプレースタイルも変化していきます。
そうなったときでも、すぐに適応できる選手になってほしい。
明日、ヨーロッパのクラブからオファーが来たとしても、何食わぬ顔でプレーできるようになってほしい。その観点で日々のトレーニングを考えるとともに、選手の指導にあたっています。
■守備の強度が低い中でトレーニングをしても、試合で活きる技術は身につかない
ベースとして必要になるのは、ハイプレッシャーのもとでの認知と判断に基づく技術の発揮。そして、攻守に高い強度でプレーし続けることのできる運動量。この2つは徹底して鍛えます。
守備の強度が低い中でトレーニングをしても、試合で活きる技術は身につきません。それを実行するためのハードワークは、どのポジションの選手にも求めます。選手に対する要求は高いです。
明治が求める基準、スタイルに適応するために、自分は何をすべきか。何が足りないかを、選手たちは日々、自問自答しています。