2020年度はプロ12人輩出! "常勝・明治"が追求する、徹底的な個の強さとは?
客観的に自己分析し、課題に向き合ってチャレンジする考え方、やり抜く心も大切です。そして最終的には、自分の特徴をチームの中で発揮すること。自分の能力を、チームの勝利のために活用することができるようになると、トップチームのスタメンに定着していきます。
■プライドや過去の成長にしがみつくと、成長が止まりかねない
明治に来るのは高校やJユースの中心選手で、プロから声がかかる選手もいれば、かからなくて大学に来た選手もいます。
全員に共通するのが「プロになれないから、明治に来た」ことです。何かが足りないから、高校卒業時にプロに行けなかったという反骨心は、誰もが胸に秘めています。
私が心がけているのは「自分には足りないものがあるから、明治に来たんだ」と気づかせること。成長させるために、ここに来たんだというマインド作りを徹底して行います。
純粋に、自分の成長に対して、上に矢印を向ける。それが明治の最大の特徴だと思います。プライドや過去の栄光にいつまでもしがみつくと、成長が止まってしまいかねません。それを自信につなげるのは結構ですが、彼らは成長過程なので、自信は胸にしまっておけばいいのです。
そういう選手ががむしゃらに努力することが大切で、周りの選手も、年代別日本代表に選ばれた選手が必死に努力して、実直にやっていたら「もっと自分もやらなければいけない」という気持ちになりますよね。その環境を仲間同士で作りあえているのが、一番大きいと思います。
■先輩たちから学ぶことができる
卒業していった先輩から学ぶことができるのも、明治の良さだと思います。
大学時代、一緒にプレーした選手がプロに行って活躍している姿を見ることで、練習や試合で感じたことをリアルに思い出し、「プロになるためには、あのレベルが必要なんだ」と思い返すことができます。
そうしてさらに努力していくサイクルができているのも、明治からプロ選手が毎年のように出る要因のひとつではないでしょうか。
2020年には12人がJリーガーになった
■才能×努力×考え方
私は選手に「才能のある選手が努力したら、いい選手になれると思う?」と聞くことがあります。すると、ほとんどの人が「なると思います」と答えます。
でも私は、なる人と、ならない人がいると思っています。
毎日の練習は足し算で、積み重ねです。そこに掛け算をして、才能に努力と考え方を加えます。