2020年度はプロ12人輩出! "常勝・明治"が追求する、徹底的な個の強さとは?
「才能×努力×考え方」です。そこで考え方の部分がネガティブな思想であれば、いくら才能があって努力しても、マイナスに転じます。
反対に、ポジティブな考え方のもとで努力を積み重ねることができれば、結果はプラスに転じます。自分をコーディネートする力を持っていれば、その積み重ねは乗数になるのです。
■練習は朝だけ自分の時間をどうコーディネートするかでその後の人生が変わる
誰でも1日は24時間、平等です。大学生は時間もたくさんあります。だからこそ学校に行って勉強するのも大事ですし、ゼミで色々な知識を学ぶことも大切です。
体育会系の学生の場合、部活動の仲間との付き合いがメインになりますが、同じ思想で同じ考えの人たちと固まるよりも、せっかく大学に来たのだから、色々な人達と付き合って、視野を広く持ってほしいと思っています。
明治の練習は朝だけです。サッカー以外の時間はたくさんあります。自分の体をケアしたり、読書をしたり、映画を見るなどなんでもいいのですが、自分の時間をどうコーディネートするかで、その後の人生が変わってくるという話はよくします。
若いときは、色々な価値観に触れてほしいです。物事を一つの面から見るのではなく、多角的な見方ができるようになってほしい。いまは多様性の時代と言われていますが、様々な価値観を知ることで、人間的な幅も広がるのではないでしょうか。
■自ら人生を切り開け
「自ら人生を切り開け」というのが、私のモットーです。そのためには実力をつけなければいけないし、常にどうすれば成長できるかを考え続け、行動に移していくことが大切です。
サッカーも同じで、自分に何が求められているのか、足りないものは何なのかを考えてほしい。
そうしてできた個としての強いベースがあれば、どこのチームに入っても、「あの選手は戦える」「最後に決めてくれる」「守ってくれる」となり、評価されます。それが、サッカー選手としての道を切り開くことになると思っています。
※この記事は「明治発 世界へ! 明治大学サッカー部監督・栗田大輔の結果を出し続ける、組織マネジメント論」(竹書房・刊)より抜粋したものです。
栗田大輔(くりた・だいすけ)
1970年生まれ。静岡県出身。静岡のサッカー名門校・清水東高校から明治大学政治経済学部へ進学、サッカー部へ入部。卒業後、大手ゼネコンに入社。
2005年に横浜市で小中学生を対象にしたクラブチーム「FCパルピターレ」