柔らかく「止める」技術を身につけさせたい。お勧めの練習メニューを教えて
右か、左か、後か。どこにボールを置いたら相手が困るか。
そういった判断をするためのトレーニングが少ないため、子どもたちはついつい足元にボールを止めてしまいます。そうではなく、例えば相手が来たら、来るほうとは逆の方向にボールを置く。例えば前にスペースが空いているのなら、前方に大きくボールを出す。ボールを前に出せば、スムーズに素早く動けます。
子どもがコントロールミスをすると、大人は「足元のスキルがないから」と考えがちですが、それはスキルの問題ではなく、認知判断の問題だと私は考えます。クイックで右に行きかけて、左に出す。
そういった「直前の判断の変更」ができるようになってほしいものです。そのような認知が出来るからこそ、良い判断はできる。そんな選手を育てましょう。
■ボールコントロールを身につける練習メニュー例
練習メニューは、ネットでもたくさん出ています。書店に行けば私が監修した『池上正の子どもが伸びるサッカーの練習(池田書店)』という練習メニューの解説書もあります。
例えば、ボールコントロールを意識したミニゲームをしてみましょう。コーンゴールを用いたミニゲームで、ラインを通過した場合、パスを受けた子がしっかり止めないとノーゴールというルールにする。ワンタッチでラインを越えて。
決まったゾーンでコントロールしないと1点にならないという決まりにします。
ご相談者様からは「トラップのコツを身につけさせるためのお勧めの練習メニューを」ということなので、私のアドバイスは希望通りではないかも知れません。
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■認知・判断を養う指導を幼少期から行った方が良い
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
しかし、上述したように、認知力、判断力をまずは高める工夫をしてほしいのです。小学生には判断できないだろうという方もいらっしゃいますが、自分で考え出す教育が、ピッチに出ると選手の判断だけで試合をするサッカーには必要です。
止める、蹴るの技術を高めるプロセスも同じです。
「どうしたら上手く止められるかな?」
「こんな状況だったらどうする?」
「どこにボールを置くか?」
そういったことを、子どもが自ら考えてプレーすることが重要です。
「認知とか判断は中学や高校でやればいい」という意見は違うと私は思っています。