サッカーを「習い事」にしてはいけない。サッカーで子どもを伸ばす親のスタンスとは
「上手くなりたい」という気持ちは、強制によって育まれるものではありません。サッカーという真剣な遊びの中で育まれていきます。
サッカーの本質は遊びです。
サッカーがしたいと思わないと、当然サッカーは上手くなりません。サッカーをしなきゃいけない......、と思いながらプレーしたところで上手くなりません。
■夢中でサッカーをしている子どもが上手くなる
元陸上選手の為末大さんは著書『生き抜くチカラ: ボクがキミに伝えたい50のことば』の中で「努力は夢中には勝てない」という言葉を残しました。
私自身の子供の頃をふり返ってみると、夢中でプレーした積み重ねが成長に繋がっていたことがわかります。
楽天大学の学長である仲山進也さんと元東京ヴェルディで活躍された菊原志郎さんの共著『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方』にはこう書いてありました。
ーー夢中で試行錯誤ができる子とできない子の違いって、何でしょう?
主体性ですかね。こういう練習は、子ども同士でやるのが一番楽しいんですよね。大人がいると、どうしても大人の視線やミスを気にして伸び伸び練習できないですから。
JFAアカデミーのときは、「今日は、コーチは何も言わないよ。失敗してもいいから自分たちで考えて、仲間と力を合わせていろいろやってごらん」という「ノーコーチングデー」を設定してました。
出典:サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方より
夢中でサッカーができる、試行錯誤できる環境が一番成長に繋がります。
どんなに最先端の練習メニューも、夢中でプレーする子どもたちの前では無力です。夢中になる仕掛けが上手い大人が子どもを成長させます。
魔法の練習メニューは存在しませんが、魔法のコーチングは存在するということです。
子どもたちの気持ちをノセる指導者の元で子どもたちは伸びていきます。
■サッカーを強制し、プレーを矯正するチームは少なくない
長くジュニアサッカーを見てきましたが、未だに子どもたちにサッカーを強制し、プレーを矯正してしまうチームが少なくありません。ジュニアユース、ユースに上がり競技志向になっていけば多少そのようなアプローチがあるのも理解できます。しかしサッカーを始めたばかりの子どもに強制や矯正することは不要だと思います。
チームを見極めるためには、練習だけではなく、ぜひ試合も観てほしいです。