障がいの有無や重さに関係なく入れるチームに。Fリーグ・バルドラール浦安の下部組織が行う多様性と勝利を目指す取り組み
元々どんな障がいがあってもフットサルを楽しんでもらいたい考えがあり、いろんな人を取り込もうとしているのに、デフィオは閉鎖的な感じになっていたので変えたかったのです。
そうした想いを抱いている時に、1人の知的障がいの方が練習参加したいと言ってくれたんです。彼は現在も在籍しているのですが、一緒にやっていく中でコミュニケーションを密にしたり、シンプルに伝え合えば、どんな障がいがあっても一緒にプレーできると実感できたんです。それがきっかけになって、デフだけではなく、いろんな障がいのメンバーがよりチャレンジできる場として、デフィオを捉えられるようになりました。
■障がいの有無や重さに関係なくは入れるチームになっていった
松田:そこから知的障がいの人たちが増えたのでしょうか?
泉:すぐには増えませんでしたが、いろんな障がいの人が集まるチームにしたいという想いは持ち続けていました。
その状況から裾野が広がるきっかけになったのが、特別支援学校のサッカー部と繋がったことです。市川大野の特別支援学校と接点ができ、サッカー部の子を対象にフットサルクリニックを実施したんです。そこで練習に行かせてもらい、卒業後にチャレンジできる場があることを伝え、そこから何人かデフィオに入ってきてくれました。
知的障がいのメンバーが増えていき、より一層インクルーシブなチームになり、だんだん浸透して、認知されるだけではなく、障がいの有無や重さに関係なく入れるチームになっていきました。
■特別支援学校に通う生徒にとって卒業後の受け皿でいたい
松田:特別支援学校に通う生徒にとって、卒業後の受け皿にもなっているんですね。
泉:そうでありたいですね。デフのメンバーは自分たちでつながって、各地にチームを作れるのですが、知的障がいのメンバーはそれが難しい側面があります。特別支援学校の障がい種別の割合では、知的障がい者を対象とする学校が7割〜8割になっていると思います。
知的な障がいはありながらも、身体は健康でエネルギーに溢れる若者にスポーツに取り組む場は必要だと考えているので、僕たちは受け皿になりたい。最初はチャレンジフットサルから入り、もっとやりたいとなればデフィオに入ってもらうのが理想です。なので、そういうピラミッドは作りたいですね。
松田:精神障がいの方も加入されていますが、どういう経緯で入ってこられたのでしょうか?
泉:チームの存在が認識されたことで、聴覚障がいの方と知的障がいの方の交流試合が行われるようになったんです。