小さい子は不利って本当? 気になるトレセン事情。東京都サッカー協会がトレセンで重視する「12歳までに必要なテクニック」とは
テクニックがなくても、やっていける年代でもあると言えるでしょう。
身体能力だけを基準に選考すると、トレセンの目的である将来、日本代表で活躍できる選手の発掘、育成が出来なくなるため、ジュニア年代の選考はテクニックの割合が高くなります。身体能力に頼ったプレーをしている選手に対して、将来活躍できるテクニックを身に付けるよう声を掛けるのも、大事な役目です。
■「テクニック」とは単純な止める・蹴るを指すのではない
選考の基準となるテクニックも、現在は人によって定義が変わるため、中田さんが東京都の技術委員長に就任してからは、定義の明確化を進めています。
「リフティングや対面パスなど止まった状態での上手さではなく、相手がいる中で様々な認知をして判断と実行が出来てこそテクニックと言います。キーワードは『前』です。前を向けるのか、前にパスを出せるのかが大事。相手が守備をしてくる中で前にコントールしたり、パスを出せる技術こそがテクニック。
横にドリブルする選手は相手にとって怖くないけど、相手を抜きにかかる仕掛けは怖い。前に前進できるテクニックを持っているかが大事です」。
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■ポジションに応じて必要な「テクニック」がある
8人制から11人制へと変わる中学生年代では、より大人のサッカーに近づくため、ポジションに応じたテクニックも身につけなければいけません。
「CBの吉田麻也選手が自陣ゴール前でに堂安律選手のようなドリブルプレーをしたらチームメイトは困ります。テクニックと言っても吉田選手や板倉滉選手に求めるテクニックは、中盤の選手とは違うのです。反対に堂安選手も自陣でプレーするなら、エリアに応じたテクニックを発揮しないといけません。一概にテクニックと言っても、ゾーンや状況に応じて発揮できるかが大事です」と中田さんは話します。
■今は身体が小さくても、日々の積み重ねしだいで急成長するタイミングがある
身体が小さく、ジュニア年代ではフィジカルの差で活躍するのが難しくても、テクニックを日々の練習で磨き続ければ、必ずどこかで急成長するタイミングが訪れます。中田さんが、代表例として挙げるのは、JFAアカデミー福島のチーフコーチ監督時代に携わったU-21日本代表のMF三戸舜介選手です。
小学6年生でセレクションを受けた際は、163cmの今より小柄で「ずば抜けた選手ではなかった。