2022年9月30日 20:00
ボールを持てるのは数人、他はパスも上手くできない。レベル差のあるメンバーが楽しく基礎技術を身につけられるメニューを教えて
基礎的な技術がなかなか伸びない。チームの中でボールを保持できるのは数名、他の子はパスが上手くできなかったりとレベル差がある。
楽しく積極的に取り組みながら基礎技術が身につく練習メニューはある?とご相談をいただきました。
ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、「ひとりでできる練習」に時間をかけすぎな日本の現状と、考えてサッカーをするためにおすすめの練習メニューについてアドバイスを送ります。
(取材・文島沢優子)
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(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
<<話を聞かない、落ち着きがないU-10年代の指導、チームをまとめる方法はある?
<お父さんコーチからの質問>
池上さんこんにちは。
地元の小学校でサッカーのコーチをしています。コーチ歴は3年で担当はU-10 年代です。
メンバーは3、4年合わせて11人です。選手のレベルは3~4人ボールを保持できる選手がいますが、その他はパスがうまくできなかったりで、基礎的な技術が中々伸びない子が多いです。
基本的な技術をもっとつけていかないと思っていますが、子どもたちが楽しく積極的に取り組めるようなパス、ドリブルのメニューあれば教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
<池上さんからのアドバイス>
ご相談ありがとうございます。
まず、ここでご相談者様がおっしゃった「基本的な技術をもっとつけていかなくては」という主旨の話についてお伝えします。
■日本は「ひとりで行う練習」に時間をかけすぎている
日本では、基本技術というと対面パスやコーンドリブルなど、ひとりで行う反復練習、つまりクローズドスキルのトレーニングが多いです。それもやっていいのですが、全体に対し比重が高い。
少し時間をかけ過ぎるようです。
実は、同じことを3回繰り返すと、その後同じことをやっても人間の脳はもう働かなくなるそうです。例えば、子どもの頃にやった漢字の書き取りやドリルを思い出してください。手本を見ながら、上から三つめまではきれいに書きます。ところが4つめ以下は乱れます。
このことを小学校の先生に話したら「今の子どもたちもその通りです。