チーム内で技術差が大きい、上手い子とそうでない子に分けて練習するべき? レベル差のあるチームの指導を教えて
(※)をご存知ですか。指導者が環境設定することで、子どもは自分で学んでゆくと言われています。この考え方を参考にする指導者がいま増えています
※参考:『エコロジカル・アプローチ「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践』 植田文也 ・著
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■安易に技術の優劣で分けるのではなく、チームスポーツであることを意識させる環境づくりを
つまり指導者の役割は、環境の設定なのです。例えば何かを行う人数グループ分けも、練習の「環境」に入ります。4人でやるほうがいいのか、2人なのかといった設定を、簡単ではなく、かといって凄く難しいものではなく、全員が楽しみながらトライできるものにしてください。最初からできてしまうのであれば、それはトライにならないのでそこの見極めが必要です。
「グループ分けはこうしたほうがいい」というものはありません。上手い子とそうでない子が混ざると、例えばこんなことが起きます。
上手い子がわがままになります。自分より技術が劣る子にボールを預けるとミスすることが増えるので、周囲の状況を見ずに、仲間にパスもせず、自分で勝手にドリブルしてしまいます。
だからといって安易に技術の優劣で分けて練習するのではなく、そこで「サッカーはチームスポーツだよね?どうやってみんなで点を取るか考えるスポーツだよね」といったことを伝える機会にもなります。
そういう部分を育ててあげてください。
■小さいころに技術習得に時間を割きすぎると、大きくなってから認知や判断の時間にもっと時間がかかる
過去にも申し上げたように、日本は止める、蹴るといった足元の技術指導から入ります。そうではなく、サッカーの入り口に立つ子どもたちには、サッカーの認知や判断する力を養うための環境を設定することが必要です。欧州などとは育て方が逆なのです。
小さいころに技術が大事だからとそこに時間を割き過ぎてしまうと、少しずつ体が大きくなってフルパワーで蹴ると、ボールのコントロールが難しくなります。
学年が上にいくと、小さいときは上手かったのに試合に出られなくなるなど、漏れてくる中学生や高校生が出てきます。認知や判断する力をつける練習をもっと増やさなくてはいけません。
欧州では、大きくなってパワーがでてくるときに、もう一度技術をやり直します。