「小学生年代で身につけておいて欲しいライフスキルとは?」内野智章×菊池健太対談
そのときに「できないことは悪いことじゃないけど、チャレンジしないのはよくないこと。できないから練習するんだよ」と声をかけています。
■積極的に失敗しよう
菊池:できない自分が恥ずかしいから止めてしまうのか、悔しいから練習するのかで、その後の成長が変わってきますよね。なぜうまくいかなかったのかを考えて、頭の中を整理してチャレンジすることが大切なわけで。コーチの関わりで前向きにさせていくことや、一緒にチャレンジしていくことも必要かもしれないですね。
内野:コーチが最初に手本を見せて、ミスをするのもありだと思うんです。「最初はできなくていいよ。積極的に失敗しよう」って。
とにかく日本人は失敗を恐れています。常に失敗を恐れているのと、周りの目が非常に気になる。
菊池:それはよくないですよね。とくにサッカーではマイナスに働きます。
内野:自己主張に関しても、日本は自己主張が過ぎるとダメな空気なんで。「あいつ出しゃばってる」とか「うるせえ」ってなっちゃう。「自己主張が和を乱す」と言われたり。
菊池:学校教育の問題になるんですかね、大きく考えると。
内野:学校は難しくなってきてますよね。これ言っちゃいけない、あれやっちゃいけないがすごく増えてきているので、難しいんだろうなとは思います。
■個性豊かな選手がプロになる
菊池:できるだけはみ出ないように、みんな同じ形に育っていきますね。とがってる部分をそぎ落とされて、みんな丸くなっていく。
内野:先生がそうなんで、みんなを丸くしていくんですよ。当たり障りないように、問題が起きないようにって。学校内でもそうですし、保護者に対しても、生徒に対してもそうです。どんどん個性を殺していく傾向にあるんで。
自分の個性が消えていっちゃってる人に教えてもらうと、個性的ではなくなっていきますよね。
菊池:高校で活躍する子は、個性豊かな選手が多いですか?
内野:そこはほぼ間違いないんじゃないですかね。活躍する子は大変な子が多い。一言で言ったら「変わってんな、あいつ」みたいな子の方が多いですね。全員じゃないですけど。ポジションによるかな。ボランチとかはしっかりしてますけどね。
菊池:個性というか、自分の良さをしっかり持てる子ですよね。
指導をしていると、どうしてもダメなところの指摘が多くなってしまうと思うんです。
内野:仕方のないことでもありますけどね。