「小学生の頃は、相手よりも上手くなって、試合に勝とうとすることが大事」内野智章×菊池健太対談
僕は遊びがある選手が好きなので、練習しすぎるよりも、もっと遊んだ方がいいんちゃうかなと思っています。これを言うと、子どものサッカーに真剣な親御さんに否定されちゃいますけど(笑)
菊池:子どもと一緒にいられる時間は、小学生の間だけと言っても過言ではありません。うちの子もサッカーをしているのですが、中学に入ってからお互い忙しくなり、一緒にいる時間がほとんど取れなくなりました。それもあって、保護者の方には「一緒にいられる時間は少ないので、サッカー以外のことをするのも大切ですよ」と伝えています。
内野:この記事を読んでくれているのは、お子さんのサッカーに熱心な保護者の方だと思いますが、あまり親が真剣にならず、子どもの好きなようにやらせてあげてほしいと思います。
■反省会はいらない
菊池:保護者の中には、「子どものサッカーを見るのが苦痛」という人もいます。うちの子が試合に出られない、ミスをした、勝った負けたで一喜一憂しすぎる傾向にあるので「サッカーで幸せになってほしい」と、よく言っています。試合のビデオが、反省会の材料になっていたりするので......。
内野:反省会は絶対にいらないです。
菊池:ある選手が「試合後の車の中が地獄だ」って言っていました。
内野:絶対いらないですよね。僕は聞かれるまで何も言わないですね、自分の子どもには。
菊池:できなかったことを指摘するのではなく、まずは親子で一緒に楽しむことが大事ですよと、保護者の方にも伝えているんです。
内野:僕が「ウチノメソッド」で目指しているのが、公園やストリートで楽しくサッカーをすることであったり、近所のめちゃくちゃ上手いお兄ちゃんに教えてもらう環境を作ることなんです。
菊池:素晴らしいと思います。
内野:樺山(諒乃介)は小学生のとき、サブで試合に出られず、悔しさのあまり一人で公園に行って、YouTubeを見ながらドリブルの練習をしていましたし、宮原(勇太)は小学生のとき、「ドリブルで全員抜きたいから、ゴールキーパーを志望した。
ボールを捕ったら、ドリブルで全員抜けるから」って。もうわけわからないでしょ(笑)。鷹虎もそうですが、小学生のときに、自由にプレーさせてもらえる指導者、クラブのもとでプレーできたから、ああなった部分もあったと思います。
菊池:小学生年代は、とくに大人の影響は大きいですよね。