思春期? 上手いけど一旦機嫌が悪くなるとチームメイトも腫れ物扱いする子に指導者はどう接したらいいか教えて
一旦乱れ始めると周りの選手もとても気を遣っている姿があります。
何とかしていい方向に持っていきたいのですが、どうすればよいでしょうか。
年齢的にも思春期の入り口にいると考えられますし、難しい年齢であることも理解しています。
私としてはサッカーを存分に楽しんでほしいですし、仲間たちからも調子のいいときは頼られているだけに残念でなりません。
これまでいろんな年代の選手に指導してきた池上さんなら、このような選手にどう接しますか?アドバイスをお願いいたします。
<池上さんからのアドバイス>
ご相談ありがとうございます。
小学6年生は「前思春期」という時期ではありますが、この選手の行動を思春期が原因としてよいかどうかは意見が分かれるところでしょう。
■ドイツで目にした、相手選手へのイラつきを鎮めさせる方法
要因がどこであれ、このようにすぐキレてしまう癖は子どものうちに早く直したほうがいいでしょう。
このような事象を、イングランドなどの指導者たちは「bad habit」(バッド・ハビット=悪癖)と呼び、見つけたら早々に修正するようです。
昨夏に訪ねたドイツで、こんな場面に遭遇しました。小学生の試合を視察したときのことです。プレーしている中でとても上手いセンターバックの子がいました。危ない場面では必ず相手を止めていました。
ボールを取られた相手はまた奪い返そうとしますが、そのCBはボール扱いが上手く視野もあるのでできません。相手は徐々にイライラして、激しくチャージし始めたのです。ファウルを取られてもおかしくないようなマークが続くなかで、そのCBはとうとうやり返しかけました。
その瞬間、コーチが大きな声でその子の名前を呼びました。ベンチのほうに来るよう手招きし、やってきた子をくるりとコート側に向けさせると、その背中を抱きしめながら試合を見せました。
しゃがんで頬を近づけ、指差ししながらアドバイスもしていました。10秒ちょっとの短い時間です。その子が落ち着いたと見極めたのでしょう。コーチは「さあ、行っておいで」というように背中をトントンとたたいて、コートに送り出しました。私は感心しました。なるほど。
後ろから抱きしめるのかと。とてもいいものを見せてもらった気がしました。
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■年齢にかかわらず良くない振舞いは指導者がきちんと伝えた方が良い
さて、ご相談者様の話に戻りましょう。