チームメイトに「いらない」と言われる発達障害の息子。いじめだと思うが親が口を挟んじゃいけないのか問題
と理解を示しており、頭が下がります。
■まずは少年団側に相談しましょう
私からは二つほどお伝えします。
お母さんには、息子さんだけの問題ではないと考えてもらいたいです。いじめ被害に遭っているのは息子さんですが、いじめのターゲットはコロコロ変わるものです。子どもたちが息子さんに向けて行ったような暴力や暴言が許されてしまえば、再びチームの誰かが同じ目に遭う確率は高くなります。
そのように考えて、まずはスポーツ少年団側に相談しましょう。説明の順番としては、最初に息子さんの特性をチームのコーチに伝えましょう。
10年、20年前に比べれば、発達障害に対する認識は深まっていますが、多くの人が正確に把握しているとは思えません。
そのことを踏まえて、自閉症スペクトラムなのか、それともほかのものか、もしくは何かと何かの混合的な特性があるのであれば、なるべく詳しく説明してあげてください。
親が変われば子どもも変わる!?
サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>
■ただし言い方には注意、「いじめ」と聞くと態度を硬化する指導者もいる
次に、以下の主旨を伝えましょう。
「ピッチの上や練習はコーチと選手の世界なので技術指導やコーチングについては全面的に任せたい。しかしながら、今回はチームメイトの暴力や暴言がある。そこに対してコーチにはコミットしてほしい」と。
なぜならば小学生でもフェアプレーを実践すべきアスリートであり、サッカーはチームで助け合うスポーツだからです。
ただし、この話をする際は「いじめられている」とか「いじめている子どもが」というように、いじめだと断定する言い回しはやめましょう。
過去に私が相談を受けたお母さんがコーチ陣に相談した際、彼女が「いじめがあって......」と言った瞬間にコーチたちの顔色が変わったそうです。
困惑した彼らは「何がいじめなのかわからない」「いじめの定義は何か?」と言い出し、話が違うほうに飛んでしまったと聞きました。
したがって、起きたことをお母さんの言葉で総括せずに、事実を淡々と伝えましょう。そのなかで、息子さんがサッカーを好きだということにふれ、チームで活動を続けるためにサポートをお願いしたい旨を伝えましょう。
■みんなが楽しくサッカーできる環境づくりをお願いしたい、と強調しよう
では、コーチたちは子どもたちにどう向き合ってもらえるといいのでしょうか。