子どもに干渉しすぎて自立を阻害する「ヘリコプターペアレント」になってない? 過保護にならないための対処法
でも、その思いが強すぎるあまり、親御さんの行動が、お子さんにとってマイナスになっていないか。立ち止まって考えてみるのもいいかもしれません」と、優しく語りかけます。
そもそも過保護、過干渉になる親の心理として
・我が子可愛さゆえ
・親としての責任感(きちんと育てなければ、という重圧)
・自分の夢を子どもに実現させる、子どもは親の育児の成果(優秀な子を育てた自分の価値が上がる)
といったものが考えられるのでは。と教えてくれました。
■自分ではなく親の価値観で物事を決める「インナーペアレント」とは?
「子どもの側からすると、親が近くで見ているだけでも『心理的に干渉されている』というストレスがあるのに、何かあったときに急接近してきて干渉するとなると、物理的なストレスにもなりますよね」
さらに、こう続けます。
「私がカウンセリングをお受けしたケースで、成人したお子さんが、親にされた行動で辛かったと言うのが、過保護、過干渉です。
小さい頃から、親が子どもの決定に口を出したり、何でも親が決めてしまうことで、お子さんの中に『自分の親なら、こう言うだろう』という思考が生まれ、自分ではなく、親の価値観で物事を決めるようになります。
それを『インナーペアレント(自分の中にいる親)』というのですが、その思考が強制力を持っていたり、価値観が社会に合致してない場合、お子さんは非常に生きにくくなってしまいます」
この状態が続くと、お子さんにとって、ネガティブな影響が出てしまうことは明らかです。
「そうならないために思春期や反抗期があるのですが、そこをうまく通れなかったお子さんはかわいそうです。反抗する機会さえ作らせてもらえないほど、常に見張っていて、何かあったらすぐ親の方から来る。そして、親が提案したことに反抗させない。そうなると、反抗期として成立しないですよね」
■ヘリコプターペアレントの弊害
あさくらさんはヘリコプターペアレントの弊害として、次の要素を挙げます。
・1人で問題解決ができない
・自分を好きになれない
・ネガティブな思考になりがち
・精神的に不安定になりやすい
・自己決定ができない
・他人の評価を過剰に気にする
特にサッカーのような団体競技では、自立心や問題解決能力が重要です。「一流のサッカー選手で、問題解決能力が低くて、依存体質がある人っていないですよね」というあさくらさんの言葉は、とても示唆的です。