元興国高校・内野智章さんが初めて率いるジュニア年代の選抜チーム選考で重視した点、初戦で採用したシステムとは
と伝えて、1対1で守ることを徹底しています。
■バルセロナとの対戦を意識して選手選考
(普段の環境と違う中で自分を出せるようになってほしいという内野監督写真:新井賢一)
――大和FUTURESの選手たちは個の能力が高いので、バルセロナと試合をすると、面白いのではないかと感じました。
内野:それを想定して選手を選んでいます。重視したのはスピードのある選手、ドリブルが上手い選手です。そして中盤の後ろには、賢い選手を配置しています。
所属クラブでサイドバックをやっている選手がいるのですが、彼は(元ドイツ代表の)ラームのような選手になると思ったので、「君は中盤の方が合っているよ」と伝えました。すると「本当ですか?」と驚いていました。体はまだ小さいのですが、守備の感覚が素晴らしく、ボランチにコンバートしたところ、抜群の能力を発揮しています。
――選抜チームの監督をする機会はなかなかないと思いますが、好きな選手を選べることについては?
内野:選考した選手が思い通りに動いてくれるので、とても楽しいです。
代表監督のような感覚ですね。ただイメージと違うのは、ケガとメンタル面です。今時の子どもたちなので、すぐに足が痛いとか、しんどいとか言い出します(笑)。それと、攻撃の主力にケガ人が出て、離脱してしまったのはとても残念です。彼らも悔しいと思いますが。
■普段のチームとは違う環境の中で自分を出せるようになってほしい
――このチームに選ばれた選手たちに、どのような経験をしてほしいですか?
内野:まずはバルセロナと対戦できたらいいなと思います。それと、普段のチームとは違う環境の中で、自分を出せるようになってほしいです。それはずっと言っています。
自分の考えを言わせたり、話をさせたり、感想を話したりするように促しています。あとこだわっているのは、「君たちはボールを扱うのが上手いから、ボールゲームはもうできるでしょ。この大会は海外のチームも来るし、選抜だし、ボールゲームじゃなくてボードゲームをしよう」と伝えています。
――ボールゲームじゃなくてボードゲーム、ですか。
内野:はい。相手を見て、攻撃も守備もどうすればいいのか。どういうふうに陣取り合戦をするのかを考えさせています。昨日も選手たちに書かせて、相手が4‐4‐2だったらどうする、4‐2‐3‐1だったらどうするかを考えさせました。