強豪中学で寮生活の息子がサッカーやめたいと言い出したが、続けて欲しいです問題
お母さんから私への一番の質問は「続けさせるのは親のエゴか、やめていいよと本人の思う通りにさせるべきか」の二択のようです。しかしながら、ここはもう少し本人と話をしたほうがいいように思います。
■子どもが自信を失うとき
短いご相談文からの推察なので合致しているかどうかわかりませんが、「サッカーをやめたい」息子さんはもしかしたら何か大きな荷物を背負っているのではないでしょうか。
というのは、子どもたちが「もうプロになれそうにない」と自分の可能性を悲観するとき、その多くの場合は試合に出られないときです。つまり補欠として扱われ、指導者から評価されていないと感じて自信をなくしています。
ところが、息子さんはそういったことではないようです。お母さんからの相談文には「学年を超えて、試合に出たりしているのでもったいない」と書かれています。どうやら2年生なのに3年生の試合に起用されているようです。
であれば、試合に出られず腐ったり、自信喪失に陥ったりはしていないようです。
■親のエゴ以前に、拒絶している場所に縛り付けることはしてはいけない
ここはあらためて息子さんの本心と向き合う作業が必要だと考えます。
お母さんは「続けさせるのは親のエゴなのか?」と私に問うていますが、エゴであるかどうか以前に、通いたくないと拒絶している学校に子どもを縛りつけることはたとえ親でもやってはいけないことです。
そもそもこの中高一貫校に入学した経緯を知らないので難しい部分ではありますが、まずは「君の意志を尊重するよ」という姿勢を見せる必要があります。
そのうえで、以下3つのことを尋ねてください。
①今いる中学校でサッカーをやめたいとまで言い出した理由は、本当に練習がきつくて、面白くないだけなのか?何か他に嫌なことはないのか。
②本当にプロになれないと感じたからアッサリやめてしまうのか?
③その中学校のサッカーが嫌なのか?サッカー自体が嫌になったのか?今の中学でやりたくなだけならば、地元の中学に戻るなりして部活動や民間クラブで楽しくサッカーを続ける気はないのか?
特に①については、時間をかけてゆっくり聴いてあげましょう。
親の目が届かない寮生活や学校生活、部活動に、もしかしたら何か問題がはらんでいるのかもしれません。
いじめや不適切指導、考えたくはありませんが男子であっても性被害が起きる確率はゼロではありません。