正解がないからこそ悩む「褒める」「叱る」のさじ加減 悩める保護者に7,000人以上指導してきたサッカーコーチが回答
■悩んだ経験を持つ子はほかの子に優しくできる子に育つ
そんなカジさんの悩みに菊池コーチはこう答えます。
「うまくいかない時は誰にでもありますが、カジさんがお子さんのことをしっかり観察して寄り添っているので、話し合いをしながら必ず乗り越えられると思います」
そしてこう続けます。
「小学生の時にそういった悩む経験をした子は、自身の経験により他の人に優しくできる子になったり、アドバイスできる子に育つと思います。大きく成長する時ととらえることもできます」
と、お子さんに寄り添う姿勢を称えました。
■正解がないから悩む
少年サッカーのイメージ
菊池コーチの話を聞いて、カジさんは力強く「ありがとうございます」というと、少しすっきりした表情でこう語りました。
「小5でこんなに悩んでいるのは心配でしたけど、自分より頑張っているんじゃないかと思う部分もあるんですよね。だから、これからも一人の人間として接してあげようと思いました」
そのうえでこのような本音も。
「でも、親の立場として悩みますね。『正解』がない分、その子によっても受ける影響は違うでしょうし、自分の選択があっていたか確認する場もない。だから、このような座談会でほかの人の話を聞いて『そっか、そういう考えや方法もあるんだ』と知れることはありがたいです」
子どものことを思って言っていても、子どもによっては受け取り方が違うこともあったり、万人に合う「正解」がないから親は悩むのですよね。
それでも、たくさんの子どもたちに接してきたコーチのお話やほかの参加者のお話を聞いて、安心をすることができたことは大きな収穫だったといえるでしょう。
■褒める、叱るは両方大事
前回の記事でもお伝えしましたが、褒めることはもちろんとても大事です。
子どもたちだって褒められたら嬉しくなって、もっとやってみよう、と挑戦する子も多いものです。
サカイクキャンプやシンキングサッカースクールで7,000人以上の子どもたちに接してきた菊池健太コーチ
ただし、何でもかんでも褒めていればいいものではなく、選手として人間としてもっと伸ばすためには、「未来の話」を多くしないといけません。
褒めるばかりではなく、よくないことはしっかり叱り、改善と成長を促すこともこの先伸びるために大事だと、これまで7,000人以上の子どもたちを指導してきた菊池コーチも念を押します。