ゴールキックが奪われ失点に......。ビルドアップのときのポジションや周りを確かめる動きをどう身に着けさせればいい?
さらに地域ごとでルールを工夫しています。ゴールキックになると、相手チームの選手たちはハーフラインまで下がらなくてはいけない。そんなルールにしている地域があると聞いたことがあります。
育成年代でビルドアップを経験させるために、そのようなローカルルールを設けているわけです。
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■DFにボールを預けた後の展開、周りをどう見るか、状況判断を学ぶ必要がある
そういったルールを設けてビルドアップできるようにするには、キーパーがディフェンダーにボールを預けた後どう展開するかといった原理原則を学んでもらう必要があります。
しっかり周りを見て、状況判断してボールを運ぶには、まわりをどう見るか。
ボールが自分のところに来ることで何が起きるか。そういった状況をちゃんと見る。
見たら、どこにパスをしたほうがいいかを判断する。
それらができるようになるトレーニングをするといいでしょう。
■3対2のビルドアップ練習法
私がよくやるのは、キーパーと選手2人を合わせた3人に守備2人がつく3対2のビルドアップの練習です。
小学4年生くらいであれば、サイズは縦30メートル、横20メートくらいのコートを作ります。そして、3人が攻めるほうの30メートル先の両サイドにそれぞれゴールを設けます。
キーパーを含む3人はボールを運んでゴールにパスできれば1点にします。例えば右から左にパスして揺さぶるとうまく相手を外せます。相手にはキーパーはいないので結構簡単に点が入るでしょう。
相手の外し方がわかってきたら、今度はそこをドリブル通過できると1点にします。
そうすると、あまり低い位置でボールをもらってしまうと、ドリブルを長くしなければいけなくなります。当然相手は取りに来ますし、追いつかれる可能性が高くなります。
そうなったところで子どもたちに「どうしますか?」と尋ねます。無理に前に行こうとせず、キーパーを使って逆サイドにボールをふるのか、あるいはもう1人が味方に近づいたり、裏を突くといったことをします。そのような練習をしておけば、試合でゴールキックのときに、どうやってボールを運ぶか理解できるはずです。
■高校生も実践している練習メニュー
これは今私が教えている高校生たちもやっている練習です。高校生はもう少し人数を多くしますが、狙いは同じビルドアップのトレーニングです。