ゴールキックが奪われ失点に......。ビルドアップのときのポジションや周りを確かめる動きをどう身に着けさせればいい?
簡単に言えば、両サイドにボールが出て、前のゴールにパスしたり、ベースラインをドリブルやパスで越えれば1点にします。
そんなことがだんだんと理解できてきたら、ゴールを三つにします。
サイドだけでなく、真ん中に行ってもいいよということです。そうすると、横へのパスだけでなく縦のパスも理解できるようになってきます。
■一瞬手詰まりに見えるけど、ダイレクトで返せば有効に展開できるそんな経験をさせて
そもそも、すぐ取られるのであれば何が問題なのか。そこを考えなくてはいけません。
例えばキーパーがパスしたときに、キーパーが選んだ場所が悪いかもしれません。
ほかに、日本の子どもは駆け引きをするという感覚が足らないようです。
自分のところにうまく相手を呼び寄せて、他の選手がフリーになるように動くとかそういったことが理解されていないようです。
例えば仲間が受けに来てくれた。ところが相手もついてきている。そういうときにわざとその選手に出して、その選手がダイレクトでキーパーに返すと、キーパーがフリーで持って上がれるようになる。
そのように、一瞬手詰まりに見えるけれどダイレクトで返すことで有効に展開できる。そんなことを経験させてください。
■どうすればフリーになれるか、を理解させる動きを低学年から取り入れよう
上述した3対2のビルドアップ練習で、両サイドにゴールがある場合、ダイレクトパスを返されたキーパーはシュートができます。これは「前のサイドの仲間にパスができるんだ」という理解になります。
いつも近い人ばかりにパスをするのではなく、少し遠くを見たらここにもパスできるよねという気づきです。
すると今度はキーパーに渡ったときにシュートを打たれたくないので、相手がシュートをコース防ぎに行きます。その子にマークされていた子がフリーになってくる。ここでフィールドプレーヤーの2人は相手と2対1の状況になります。
この2対1を低学年のうちからやっておけば、どうすればフリーになるかという理解を深めることが容易くなります。
その際、指導者が「こう来たら、こうだろ」といったふうに見ている側の枠にはめたくなりますが、そこを我慢しましょう。できるようになるのが狙いではなく、まずは成り立ちを理解すること、そして楽しく習得することに軸足を置いてください。
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■足元の技術が足りてないだけなのか、理解していないゆえのミスかはきちんと見極めて
(写真は少年サッカーのイメージです。