青森・弘前で新感覚のアート体験を! 大巻伸嗣の展覧会が開催中
現代アートの美術館が点在し、アート好きなら一度は巡りたい北東北エリア。青森県弘前市に3年前にオープンした「弘前れんが倉庫美術館」は、かつてシードル(りんごの発泡酒)を醸造していた築100年余りの建物を改装しており、広大な展示空間でこれまでさまざまなアーティストが作品を披露してきた。
大巻伸嗣―地平線のゆくえ
大巻伸嗣は空間をダイナミックに使ったインスタレーションで知られる。薄いベールが海中の生き物のようにゆったりと上昇、下降を繰り返す「Liminal Air Space‐Time」シリーズや、草花をステンシルで描いたペルシャ絨毯のように美しい「Echoes‐Infinity」シリーズなど。いずれも、体ごと作品の時空間に含まれるかのような体験を作り出す。
本展にあたり、作家は県内各地を巡って発見し、体感した風物や自然をシリーズの新作に盛り込んだ。展覧会のはじめと終わりには、弘前市内に現存する柏の古木の葉をモチーフにした作品を展示。これは春に新芽が萌え出るまで古い葉が落ちない柏にちなんで、命の巡りと展覧会の構成を重ねているとか。
作品世界を一つ一つ旅した後、柏の葉と同じように、私たちも新しく生まれ変わっているだろうか。