アンコールでは「アイドル」も! YOASOBI、ヒット曲連発の全国ツアー最終公演レポート
という予感もあったのかもしれない。ぴあアリーナMMは決して小さな会場ではないが、まるでライブハウスのような熱気、そして不思議と親密な空気が満ちていた。
オープニングを飾ったのは「祝福」。2022年から今年にかけて毎週のようにTwitterトレンドの上位を独占していた、ガンダムシリーズ最新作TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の第1期オープニングテーマとして書き下ろされたシングルだ。続いて彼らのデビュー曲にしてビルボード・ジャパン総合ソングチャートで2020年年間1位を獲得した代表曲「夜に駆ける」。3曲目はNTTドコモ「ahamo」のCMソングに起用されストリーミング累計再生回数1億以上を記録している「三原色」だ。まさしく「ヒット曲連発」という決まり文句に相応しいセットリストだが、結成から4年足らずのミュージシャンがこんな大胆な曲順を組むことができるという事実が、何よりYOASOBIが破格のヒットメイカーであることを物語っている。そして、それは彼らがアルバムではなくシングルリリースを制作活動の中心に置いていることと無縁ではない。
TikTokやサブスクのプレイリストを通して楽曲単位で新たな音楽と出合うのが当たり前の現在においては、海外においてもシングル中心が新たなスタンダードであり、YOASOBIはその潮流を掴んだ国内の好例といえる。