一枚の下着との出合いがきっかけに…自分を大切にする一歩になる『ランジェリー・ブルース』
「下着を選ぶなんてささいなことに見えるけれど、小さな選択ができるその先でしか、大きな選択もできる自分になれないと思うんです。ボディポジティブという言葉がありますが、実際問題、コンプレックスも自己否定も感じながら“自分の体をありのままに愛そう”と言われてもハードルが高いというか。むしろ、作中でケイの元派遣仲間の田﨑さんが言う〈自分の体を許す〉くらいの意味が女性たちへのエールになるのではないか、と思っています」
たくさんのランジェリーが登場するので、「絵にする難しさはひとしおだった」とツルリンゴスターさん。
「肌が透ける感じや、レースのデザインの繊細さ…。美大時代のデッサンスキルをフルに使っても大変でした(笑)。モデルさんではなくふつうの女性が着るわけですから、どこの肉がはみ出すとリアルかとか、ちゃんとフィッティングしたときの肌になじんだ感じとか、毎回冷や汗モノでした(笑)。ただ、『なんとなく買っていたけど、この本を読んで自分の買える範囲でちゃんと選んでみようかな』と思ってもらえたなら、本当にうれしい。自分を大切にする一歩にしてほしいですね」
『ランジェリー・ブルース』年を重ねてからの体型コンプレックス、子育てに押されて自分を後回しにしてしまうジレンマ、男性や思春期にもある下着の悩みなど、扱うテーマは幅広い。