ジョルジュ・ブラック、パブロ・ピカソ、藤田嗣治らの作品も マリー・ローランサンの展覧会
マリー・ローランサンはパリに生まれ、生涯のほとんどをパリで暮らした生粋のパリジェンヌ。1920年代、世界各地から芸術家が集まり、多彩な才能がひしめくパリで独自の画風を極め、人気画家に。上流階級の女性たちはこぞって肖像画を描いてもらうことを切望し、かのココ・シャネルもその一人だったとか。
自由に美しく女性を描き続けた画家が手にしたものは?
本展「マリー・ローランサン―時代をうつす眼」は日本でも広く愛されるローランサンの作品を同時期にパリで活躍したブラック、ピカソ、藤田嗣治らの作品とともに紹介。自作詩の発表や、当時一世を風靡したバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の舞台美術や衣装を手がけるなど、絵画にとどまらない活動にも迫る。
ローランサンが描くのはアーモンド形の瞳に白い肌、パステルカラーのドレスをまとう女性たち。まるで水彩画のような透明感が印象的だ。
「初期の作品では伝統的な手法で暗い色彩を厚く塗っていますが、時代を経るに従って薄く絵の具を溶き、下の色が透けて見えるように塗り重ね、軽やかで透明感のある色彩が生み出されています。
明るいイメージもありますが、灰色がかった落ち着いた色彩を使い、絵の具の質感もきちんと残っています」