ゆっきゅん×金原ひとみ「これだけは楽しいってものがあるのって強い」
金:私は小説世界があることでなんとか生きてこれたんです。現実が実人生だけだったら絶対耐えられなかった。
ゆ:金原さんは小説を書き始めたのも早かったんですよね。
金:小6の時ですね。いくつか書いていくうちにこの仕事でやっていきたいなって思ってました。
ゆ:日記とかは書いてました?
金:それは今でも全然ダメ。
ゆ:私も(笑)。私の場合はただの怠惰でなんですけど、出来事をただ書くのってつまらなくて。
考えてることを書いてみても、1年後に読み返したら、どこに行って何をしたかがわからない(笑)。
金:いや、どこで何をしたかより考えを書くほうが絶対大切です!
ゆ:勇気をもらいました(笑)。じゃあ、金原さんは最初からフィクションだったんですね。
金:そうですね。私、エッセイの依頼がきても小説と同じ感覚で書いちゃう。エッセイだと思うと途端にチューニングが狂っちゃって。やっぱり小説と同じ視点のほうが書きやすいんです。
ゆ:それでいうと私、たまに文章を書く仕事もしているけど、自分の考えは歌詞にするのが一番しっくりくる感じがします。
散らかった思考を説明なしで書けるのが気持ちよくて。私にとって作詞って、すごく自由なんですよね。