ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。ラッパーのvalkneeさんをお相手に迎えた第2回目をお届けします。“部屋出れない系”DIVA、Tommy february6の魅力。ゆっきゅん(以下、ゆ):今、私Tommy february6のリバイバルを企てていて。valknee(以下、v):Tommy heavenly6じゃなくてfebruary6のほうね!私は両方好き!ゆ:valkneeさんは、Tommyラバーズですもんね。v:そう、私にとってのDIVAの一人はTommy。やっぱ文化系のDIVAが好きなのかも。ギャル憧れはあったけど、身近に感じるのは“室内系”の女性なんだよね。ゆ:“部屋出れない系”ですね。v:そうそう。当時はここまで言語化できてなかったけど、夜になって日光がなくなってから動き出す感じの女性たちのことは自分ごとに考えやすかったかな。それに、好きになったのもベストアルバムが出たぐらいのタイミング。ゆ:それまで何を聴いてました?あ、もともとラップの前にバンドやってたんですよね?v:そう、軽音楽部だったしバンドが好きだった。一番最初は中学生の頃にBUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、RADWIMPSとかを聴いてたな。でもやっぱり女性がやっているバンドを求めていて、そのあとはJUDY AND MARY以降の女性ボーカルのロックバンド、例えばSHAKALABBITS、ketchup maniaとかを追ってた。『Zipper』や『CUTiE』みたいな青文字系ファッションのロックパンクがすごい好きで、シンパシーを感じてた。やんちゃではあるけど重ね着とかデコラティブな格好をしてる、みたいなのが一番自分にフィットしてたから。ゆ:それってルール破るとかじゃないほうの自由ってことですか?v:そういう感じかも。ゆ:制服は着るけど、着崩し方で個性出す!みたいな。v:人とかぶるのは嫌で、前髪をギザギザに切ったりして(笑)。今でもUKIちゃんになりたいとか全然思うよ。やっぱ女性アーティスト好きだなあ。Chara、YUKI、椎名林檎も聴いてたし、ハロプロとかアイドルも好きだし。ゆ:HIPHOPじゃないんですね。v:出自は全然違って。HIPHOPは大学生の頃で、tofubeats、PUNPEEが現れて、メガネとチェックシャツでラップしていいんだってわかってから。それまではチェーンぶら下げて「YO!」みたいなのがラップだと思ってたから“入門”するきっかけがなくて。だから後追いでいろんな曲を漁ったり、歴史を知ったり、みたいな。TSUTAYAに行って。ゆ:めちゃわかる!私も地元のTSUTAYAとかつての渋谷TSUTAYAが青春です!バルニーラッパー。2019年に音楽活動を開始。今年4月に1stフルアルバム『Ordinary』をリリース。そのほかにも、和田彩花らアイドルへの楽曲提供、映画『#ミトヤマネ』の主題歌・音楽ディレクションも担当するなど幅広く活動中。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年7月24日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年07月24日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回からのお相手はラッパーのvalkneeさん。第1回目をお届けします。活動の「シーン」は自分で作っていくしかない。ゆっきゅん(以下、ゆ):valkneeさんは恩人なんですよ。私がソロデビューした直後に、valkneeさん主催イベントに出たくてTwitterのDMを送ったんです。それが初コンタクト。valknee(以下、v):出会いのきっかけ、それだ!2021年にライブありDJあり物販ありの、縁日みたいなイベントをやったとき。連絡をくれて、出てもらったんだよね。その前からもちろんゆっきゅんのことは知ってたけど。ゆ:それまでソロでライブに出ることはほぼなかったんです。私が所属する「電影と少年CQ」のライブはアイドルの現場ばかりだけど、別に私のフォロワーってアイドル好きだけじゃないから。あのイベントで初めてライブを観てくれた人が多かった気がします。v:ファンがあぶり出された。ゆ:それにイベントのおかげで、アーティスト仲間が一気に増えました。田島ハルコさんとか。v:私的にはゆっきゅんって活動歴が長いイメージがあったからすでに仲間が多いんだと思ってた。ゆ:いないいない。むしろ今も音楽シーンに呼ばれないので。v:私もほぼないなぁ。なさすぎて、頑張って自分でシーンづくりの旗振り役をやってきた感じ。今でも超オルタナティブにやってるよ。最近ワンマンとかやってみて、やっと小さな成果みたいなものが見えてきたところ。ゆ:すごい!てか私の場合、DIVAシーンってマジでないんですよね。あるとしたら『FNS歌謡祭』とか「a-nation」になっちゃうんで。ライブシーンがもう“ド地上”だから。地上というか、もはや天空というか、もう“飛天の間”みたいな感じだから(笑)。v:たしかに、DIYでDIVAをやる人はなかなかいないからね。ゆ:100人キャパレベルのライブハウスで、一番私が豪華な衣装を着てると思います…。v:マジで間違いない。ゆ:明日さいたまスーパーアリーナに出ろと言われても出られる衣装でいる、っていうのが自分のポリシー。楽屋で衣装に着替えると共演者から歓声が上がるんです。v:演者も憧れる衣装だよね。ラッパーは“私服がクソ派手でそのままステージに上がる”みたいな感じが美学な気がする。派手じゃない人もいるけど、ありのままでステージに上がるリアルさみたいなのが良しとされてる。そこを私はもっと華美にしたいんだよね。ゆ:したいですよね。規定のレールに乗らなくてもいいし!v:そうなんだよね。“DIVA系ラッパー”路線でいきたい!バルニーラッパー。2019年に音楽活動を開始。今年4月に1stフルアルバム『Ordinary』をリリース。そのほかにも、和田彩花らアイドルへの楽曲提供、映画『#ミトヤマネ』の主題歌・音楽ディレクションも担当するなど幅広く活動中。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年7月17日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年07月19日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。詩人の小野絵里華さんとの対談を終えたゆっきゅんが、前回までを振り返って言葉を綴ります。言葉と風景、どっちが先?ポエジーの新発見に肯定されて。小野絵里華さんの詩集『エリカについて』と出会ったのは去年の9月のことで、メディアにたくさん出るような人でもないし、SNSの発信もあまりされていないので、実際会うとどんな方なのだろう……とは思いつつ、作品を通して勝手に親しみを感じていた部分も大きく、お会いしてみるとやはり思った通りでした。焼き鳥屋での女子会の会話を詩にできる人なのだから。たったひとりの私に届くような詩を書く人なのだから。そんな小野さんと話せて嬉しかったのは、「風景>言葉」というタイプの創作についての話。詩を書く人には、描きたい(描かざるを得ない)“風景”が先にある人と、“言葉”自体が先にある人がいて、小野さんは以前、谷川俊太郎さんの詩についての評論で、谷川さんとご自身について「風景>言葉」の詩人であるのだと書いていました。考えたことなかった視点でしたが、私もそうだ!と納得させられて。私も作詞をするとき、特に最近は、歌にしないといけない情景や人間が目の前(というより、頭の中)にあって、どうにか伝えられるように自分の中の不完全な言葉を尽くす、という感覚があります。小野さんはそうではないと思いますが、私には自分がずっと言葉に対して責任を持てていないような、どこか申し訳ない気持ちがあって。でもそれは、言葉よりも私が本当に描きたかった景色や気持ちがずっと先にあって、それのほうが素晴らしいからだったのかもと思いました。私の作詞は、実は言葉自体ではなく、そこから立ち上がってくる情景こそが作品です、みたいな認識があったことを知らされて。だから、その発見に肯定されたんです。そもそも、私のはじめのポエジーは天井から降りてきたものだったのだし、それでいいのだと思えました。そして、言葉より風景が先にある人の表現は読書体験から始まっていないって話にも、読書家コンプレックスが強い私の心が救われたのです。最近、9月に発売予定のアルバム制作に取り組んでいて、作詞をするぞと喫茶店に向かうとき、元ネタにするでもなく、なんならその日は開かなかったりもするのに、バッグに『エリカについて』を携えて何度も家を出ています。お守りというかおまじない?創作と言葉に向き合うときにいったん思い出しておきたくなるのが小野さんの作品です。作品の影響が直接出ている部分はきっとないけれど、早く小野さんにも聴いてもらうんだという気持ちでなんか頑張れます。カラオケ行ってくれるらしい!ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年7月10日号より。写真・幸喜ひかり文・ゆっきゅん(by anan編集部)
2024年07月17日JA全農が運営する産地直送通販サイト「JAタウン」は、YouTube「ゆるふわちゃんねる」の新番組「紀香とゆる飲み~日本の「おいしい」お届けします~」に協賛し、舞台やドラマで活躍する藤原紀香さんを番組MCにむかえ、7月14日(日)18時より配信を開始します。「紀香とゆる飲み」は、藤原紀香さんと豪華ゲストが「JAタウン」のお酒や食材を味わいながら展開するトーク番組です。初回は、藤原紀香さんが番組紹介や今後の方向性について想いを語り、2回目以降は、交友関係のある方や農畜産業に携わる方々をお招きし、興味深いお話を繰り広げます。ゲストは、元日向坂46のメンバーで現在は女優として活躍する齊藤京子さんや元AKB48のメンバーで女優・タレントとして活躍する横山由依さん、そして剛力彩芽さんなどが出演します。YouTubeだからこそ話せる藤原紀香さんの本音やゲストとの裏話に注目です。■番組について番 組 名:藤原紀香さんの新番組スタート!紀香とゆる飲み~日本の「おいしい」お届けします~U R L: ■藤原紀香さんからのコメントこの度、JA全農グループのYouTubeチャンネル ゆるふわチャンネルのひとつ、“紀香とゆる飲み~日本の「おいしい」をお届けします!~”をお任せしていただけることになり、国産の美味しい食べ物が大好きな私としては、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。収録ではJAタウンのお酒や酒の友となるおつまみをいただいていますが、これが毎回とても美味しく、お酒が進んでしまいます(笑)このような日本の農畜産物の美味しさや魅力を、このチャンネルを通じてお届けしていきたいと思います。初回は、視聴者の皆さんとさしでゆる飲みを、2回目以降は毎回、私の大好きな、また会いたいと思っていた豪華なゲストの方々を招き、ゆる~く楽しく語り明かしたいと思います。実際、毎回楽しくていい感じでほろ酔いです(笑)ときには、居酒屋を飛び出して、日本の美味しい食を作られている日本全国の方々に会いに行ったりしたいなぁと考えています!今後の配信を楽しみにしていてくださいね!【JAタウン】JAタウンは、全国農業協同組合連合会(JA全農)が運営する産地直送通販サイトです。「おいしい日本と暮らそう。」をテーマに、「JAタウン」に出店する全国の農協(JA)などが、各産地で育まれた旬の農畜産物や特産品を、インターネットを通じてお客さまに直接お届けし、食を通じて豊かな暮らしの実現を目指しています。JAタウンイメージキャラクターは「じぇー太」。URL: 【公式Xアカウント「JAタウン【公式】」】「JAタウン【公式】」では、全国の産地の旬の農畜産物やお得なキャンペーンの情報を都度発信しています。公式Xアカウント: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年07月12日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。詩人の小野絵里華さんをお相手に迎えた最終回。今回のテーマは「たった一人の読者には届くはずと信じて詩を書く」です。たった一人の読者には届くはずと信じて詩を書く。ゆっきゅん(以下、ゆ):詩人の方は、歌詞をどう見ていますか?小野絵里華(以下、エ):私、日本語の曲は普段聴かないんです。どうしても、歌詞が気になってしまうから。詩を書いているときに耳元で愛を叫ばれたらちょっと引っ張られちゃうじゃないですか。だから普段は意識を飛ばせば歌詞が聞こえてこない、アイスランドとかフランスの歌なんかを聴いています。あとで歌詞を読み返して、こういう意味だったんだと感動することも結構ありますね。ゆ:私も日本の流行曲に疲れたら、フィンランドやノルウェーなど北欧のヒットチャートを聴くようにしているんです。日本で頑張らなくてもいいって思うとなんだか気が楽になるんですよね。エ:アイスランドだとソーレイ、パスカル・ピノン、シガー・ロスとかよく聴きますね。あと、流し聴きをしていると、すごく気に入った曲が世界でフォロワー数十人のアーティストだったりしてびっくりすることもあります。ゆ:ライブとかは行きます?エ:行かないです。具合が悪くなることがあって。ゆ:感受性が豊かだから、受け取るものが多そうですもんね。エ:イギリスのアーティストだと、キートン・ヘンソンもすごく好きです。不安障害を抱えながら活動していて、レコーディングも自宅の寝室で行ったりしていて。存在がポエジーですよね。ゆ:初めて買ったCDは?エ:小学生のときに買ったドリカムの『LOVE LOVE LOVE』。ドラマの主題歌だったんですけど、当時、主演の豊川悦司さんに恋していて(笑)。しかもトヨエツ、隣町に住んでいるって噂で!バレンタインチョコとラブレターを渡しに自転車走らせました(笑)。ゆ:トヨエツへのラブレター、詩の原体験では!?詩を書くとき、読み手を意識します?エ:書いているときは誰のことも考えていないですね。ただ、たった一人の読者に届けたいと思って詩を書いています。詩って、澄んだ湖に向かって、一人で石を投げ続けるみたいな感じなんです。水面に波紋は広がるけどまたシーンとなる孤独な作業。誰にいつ届くかわからないけど、たった一人の読者には届くはずと信じて石を投げ続ける。自分の死後も、図書館の一番下の棚にある私の本をたまたま読んで、“死にたいと思ってたけどまだ生きてみよう”と感じてくれる読者が将来、いるんじゃないかな、と信じて。ゆ:いますよ!私と仙台のブックオフがその証明です!おの・えりか詩人。東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2010年に『ユリイカ』(青土社)の新人賞を受賞。’22年に第一詩集『エリカについて』(左右社)を刊行。’23年に同詩集で第73回H氏賞を受賞。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年7月3日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年07月10日ゆるっとシルエットが可愛い【GU(ジーユー)】の「コクーンパンツ」を紹介します。ゆったり穿けるけれど、ウエストと裾がやや絞られているためメリハリがあり、ルーズに見えないところがおすすめポイント♡ サマーモノトーンやワントーンコーデにも活躍しそう!ゆるっと穿けるのにルーズに見えない絶妙ライン♡出典:Instagram【GU】「テックタックコクーンパンツ」¥2,990(税込)裾に向かってなだらかな丸みをもたせたコクーンシルエット。足首がやや絞られておりルーズに見えません。ウエストベルトがアクセントになり、トップスをタックインしたり、クロップドトップスを合わせてもカッコよくキマります。 ユニクロ公式サイトによると、吸汗速乾機能つきなので、蒸れにくく快適に着用できるそう。メリハリシルエットでサマ見えさせる夏のALLブラック出典:Instagramのっぺり見えがちなALLブラックコーデも、パンツのウエストベルトでメリハリをつければすっきり着られます。Tシャツの袖口をロールアップしたり、サンダルを合わせて抜け感を出すのも着こなしのコツ。バッグでブライトカラーを差せば、夏らしさが加わりよりこなれた雰囲気に!ストライプシャツを羽織って爽やかに着こなして出典:Instagramストライプ柄のオーバーシャツに、ゆるっとしたコクーンパンツを合わせたリラックスコーデ。インナーとパンツを黒で繋げつつ、羽織りでブルーを加えることで爽やかさがグッとUPします。バッグと靴は白を選んで抜け感を! ゆったりシルエットを楽しみつつカジュアルになりすぎない、大人にちょうどいいバランスが実現します。シルエットの変化を楽しめる優秀パンツ出典:Instagram【GU】「コクーンジョガープルオンパンツ」¥2,990(税込)ゆったりシルエットのコクーンパンツですが、裾を絞るとシルエットにメリハリが生まれジョガーパンツとしても楽しめます。ボトムにボリュームが出るので、トップスはウエストインしてコンパクトにまとめて。トレンドのクロップド丈トップスとも好相性です。涼感たっぷりなALLホワイトも、ゆるっとシルエットを取り入れることで今っぽく仕上がります。締めつけ感がなくストレスフリーな着心地なうえ今っぽく見えるコクーンパンツは、今夏ぜひ取り入れたいアイテムのひとつ。Tシャツやシャツを合わせて夏らしい大人カジュアルを堪能して!※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※こちらの記事では@ko.wear様、@sao_87wd様、@chiikotop様のInstagram投稿をご紹介しております。※記事内の情報は執筆時のものになります。価格変更や、販売終了の可能性もございます。最新の商品情報は各お店・ブランドなどにご確認くださいませ。Writer:keiko
2024年07月09日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。詩人の小野絵里華さんをお相手に迎えた対談の第3回目です。本職DIVAと詩人の共通項は意外(?)に多くて…?自分のことを詩にする葛藤!他人の意見をどう受け止める?ゆっきゅん(以下、ゆ):小野さんにとってのDIVAは誰ですか?小野絵里華(以下、エ):難しい質問ですね…みんな誰かしら思いつく人がいると思うんですけど、まったく思い浮かばなくて。自分にしか関心がないのかなって、急に不安になりました。ゆ:それでいいんです。だって詩集のタイトル『エリカについて』ですよ!小野さんのDIVAは、やっぱりエリカということで!小野絵里華さんの詩集『エリカについて』(左右社)。エ:上手にまとめていただいて(笑)。でも、すごい自己主張が強い人間みたいじゃないですか?ゆ:それでいいんです!小野さんの詩は、絶対このタイトルで正解ですよ!エ:作品名から、普段から自分語りばかりしている人という印象を持たれます(笑)。ちなみに、歌詞の主人公はフィクションですか?それとも自分の延長に近い?ゆ:作品にもよるけど、他人と言い張ってみるものの、出発点は自分の感情にあることが多いかな。エ:私は全部私のことですって言っちゃいます。ゆ:え、かっこいい……。エ:本当に自分のことしか書いていないという感覚なんです。フィクションなのに。でも、きっと読者や聞き手になってくれている方は、作者がなんと言おうと、本当のことをちゃんとわかってくれているのだと思います。ゆ:そうですよね。ファンってそういう存在ですから。ちなみに小野さんは、同じ詩人だったらどんな方が好きですか?エ:好きな詩人はいっぱいいて。学生時代は富岡多恵子さんがすごくかっこよく見え、かなり読み漁ってました。そのあと富岡さんは小説のほうに行かれたんですけど。ゆ:じゃあ、小野さんのDIVAは富岡さんかもしれないですね。エ:強烈なんです。詩だけでなくエッセイとかも面白いです。詩人でフェミニストで、とにかくやることなすことすべてがかっこよかった。昔のお写真でたしかタバコを吹かしているのがあるんですけど、ファッションもとてもスタイリッシュ!ゆ:見てみたいです。詩集以外の本もよく読まれますか?エ:もちろん読みますけど、本格的に本を読むようになったのは大学院に入った頃かな。ゆ:私と一緒です!エ:読むと学びがあって面白いですけどね。でも、言葉より風景を大事にしている人は、本を読むまでに時間がかかりますよね。ゆ:…周りから読書家だと思われているわりに、あまり本を読めていない自分を肯定できました…!おの・えりか詩人。東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2010年に『ユリイカ』(青土社)の新人賞を受賞。’22年に第一詩集『エリカについて』(左右社)を刊行。’23年に同詩集で第73回H氏賞を受賞。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年6月26日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年06月26日【音楽通信】第158回目に登場するのは、今年音楽活動10周年というアニバーサリーイヤーを迎えた、DIVAとしても知られる、ゆっきゅんさん!ソロで歌い始めたときが一番大きな変化を感じた【音楽通信】vol.1582014年よりアイドル活動を開始し、今年活動10周年を迎えたDIVAゆっきゅんさん。音楽活動はもちろん、雑誌『anan』での連載をはじめ、文筆家や作詞家としても大活躍中です。そんなゆっきゅんさんが、2024年9月11日に2ndアルバム『生まれ変わらないあなたを』をリリースすることに先駆けて、収録曲を5月から4か月連続で先行シングルとして配信。いち早く新曲について、お話をうかがいました。――まず活動10周年を振り返ると、いかがですか?2014年に進学のため上京して、「ゆっきゅんです、アイドルです」と手探りで活動してきました。2016年からはアイドルユニット「電影と少年CQ」、そして2021年5月からセルフプロデュースの「DIVA Project」をスタートしてソロ活動もしていますが、活動10年間のうち7年くらいは学生だったので、それほど10周年という実感はないんです。ただ、転機はいくつかあって、大学院を卒業してソロで歌い始めたときが一番大きな変化を感じました。それまでとそこからの時間がまったく別物の感じがあるので、10年やってきましたが、やっとこれから本格的にやるべきことが見えてきたところです。――2022年4月に初めて、1stアルバム『DIVA YOU』について「ananweb」で音楽取材をさせていただきました。そこからの2年間でさらに飛躍された印象ですが、ご自身でも心境の変化や手応えはありますか。昨年から少しずつ仕事は増えましたね。以前の私はたぶん、いろいろなことをやっている人というイメージだったのかも。いまは音楽活動があるうえで、コラムを書いたりトークをしたりするというスタンスです。きっと、ゆっきゅんはこういう人だろう、ということがわかりやすくなって、お仕事を依頼してもらいやすくなったのかなと。基本的には、歌詞を書いて、歌って、それを人に見せるのが好き。だから、依頼されていなくても、ひとりで主催レーベルを立ち上げて自分で企画してディレクションしてと、これまで同様、音楽活動はずっと力を入れてやっていきます。――雑誌『anan』では、1月31日発売号から、対談連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」がスタートしていますね。本当に私がうれしいだけの連載をさせてもらっていて、会いたい人を何十人かあげて、対談させてもらっています。掲載の順番は違うんですが、最初に決まった対談相手が、作家の金原ひとみさんで「マジですか?」と(笑)。続いて文筆家の能町みね子さん、シンガーソングライターの柴田聡子さんなどと対談しました。本当に、「マガハやば!」みたいな感じです(笑)。それぞれ対談が終わったら、みんなとカラオケに行って、友達になり、交流が広がっています。これからはもっといろんな歌を歌いたい――2024年5月15日に、アルバムからの先行シングルとして「ログアウト・ボーナス」が配信されました。ゆっきゅんさんが手がけている歌詞は、孤独な女性を描いた海外映画を観ていたら思いついたそうですね。バーバラ・ローデンの『WANDA』(1970年)やアニエス・ヴァルダの『冬の旅』(1985年)といった映画の主人公の女性がひとりで放浪する姿が心に残っていて、そういうことを歌にしたいなと。その歌詞が浮かんだときは、兄の結婚式で愛知県刈谷市に行っていました。愛知県刈谷市は私の好きな山戸結希監督の地元であり、初期作はその地でロケをしていて。ちょうど同じ場所にいるんだから、ロケ地巡りでもするかとビジネスホテルを予約したんです。でも疲れて行く気がしなくて、ひたすら部屋で天井を見ていたら、なんか東京にいるときと変わらない状態になって私は何をやっているんだろうと、映画の主人公たちの気持ちが急に見えてきて、2時間ぐらいで一気に歌詞を書きました。――作曲は、2020年結成のロックバンド「えんぷてぃ」のフロントマン、奥中康一郎さんが担当しています。奥中くんは、昨年1月に知り合っていて、夏に『Re: 日帰りで – lovely summer mix』を出したときに「ゆっきゅんさんの声はバンドサウンドにもめっちゃ合いますね」と言ってくれたんです。すかさず「じゃあ、なんか曲を一緒に作ろうよ」と話して。「歌詞が浮かんだらいつでも言ってください」と言うから、すでにできていた「ログアウト・ボーナス」の歌詞を渡して。少し打ち合わせをした夜には奥中くんからフルコーラスのデモが届いて、9月末には曲ができていました。――この曲好きです。どことなくフリッパーズ・ギターを思い出すというか。ゆっきゅんさんの歌声が堪能できますし、バンドサウンドとも合っていて、また違う一面が見えました。ありがとうございます。曲は、奥中くんは渋谷系っぽい感じを意識していたと言っていました。これまでは、曲も歌詞も、自分で自分を上げていくような鼓舞するものが多く、ファンのかたから「出勤するときに聴いています」というようなことをたくさん言っていただいていて。それはすごくうれしいんですが、人生の中での時間って、出勤時だけじゃないですよね。だから、これからはもっといろんな歌を歌いたいなって。――確かにこれまでは元気に背中を押すような曲も多かったですね。そう。でも昨秋ぐらいから、もう少しストーリーテリング的な歌詞が浮かぶことが多くなってきて、直接的な応援歌以外のものも書くようになりました。この歌は仕事を辞めたとか、仕事じゃなくても何かをエスケープした、リタイアしたというときに聴ける歌にしたくて。歌詞が先にあったので、何を伝えるかはすでにできていて、どう伝えるかとなったときに、表現するものとそのやり方の距離を今までよりも考えることができた気がします。「ログアウト・ボーナス」は、そういうときに聴ける歌になっています。歌詞に楽しそうなことは書いていないんですが、できるだけ明るく歌っていて。音楽って、聴いたときに、少しでも前を向けるものであってほしいから。――そっと寄り添ってくれる曲になっていると思いました。ゆっきゅんさんは、これまではデジタルサウンドでダンサブルな曲のイメージがあったので、この曲を聴いたかたは、意外に思われるかたもいるかもしれませんね?新境地みたいなものがないと、新曲じゃないという気持ちもあって、初めてバンドでレコーディングしました。アルバムのことも視野に入れ、最初にこの曲をレコーディングしたんですが、いまはなかなかアルバムとしてリリースしても全部を聴いてもらえない時代でもあって。サブスクで聴くときに知っている曲があると聴いてもらいやすいので、それなら先行で4か月連続配信したら、さすがに注目してくれるかなと考えました。この曲ありきでアルバム制作は進みましたが、デジタルなサウンドの曲もあったりと、バラエティ豊かな仕上がりになっています。――いまはボイストレーニングにも行かれているとか。月に2回ぐらい行っています。奥中くんを含めたバンドのメンバーが実力派の若手専門家たちの集いなので、まともに歌えないとだめだな、うまくなりたいなあと思ってボイトレしています。――「ログアウト・ボーナス」のミュージックビデオには、女優の唐田えりかさんが出演していますが、でんぐり返ししている場面がツボでしたし、ゆっきゅんさんは妖精のように登場しますね。でんぐり返しは金子由里奈監督の演出で、私が出てくるところは、「生まれ変わらないあなたが私を見てる」というイメージなんです。歌詞の最後2行に「生まれ変わらないあなたを私が見てる」とあるんですが、これは自分自身の気持ち。みんないろいろあると思うけど、それを見ています、というメッセージです。――そして6月14日には、連続リリース第2弾の「シャトルバス」が配信されました。美しいピアノの調べにのせたバラードですね。5月、6月と先行配信の2曲は、前作とガラリと変わります!みなさんにビックリしてもらおうと思って、リリースする順番を決めました。曲は、バンドにも参加してもらった、梅井美咲さんというピアニストのかたが演奏してくれています。J-POPラバーとしては、J-POPのアルバムには1曲は静かな曲があることが多いので、自分のアルバムにも絶対ピアノの曲を入れたいと思って。「ログアウト・ボーナス」と同じく「シャトルバス」でも、これまでのJ-POPで描かれてこなかったであろう場面や気持ちを歌っています。この曲は、結婚式や同窓会に行って楽しかったんだけど、なんか自分がちょっとモヤモヤしていることに気づきそうなのが嫌だから、そうなる前に2次会に行かずに帰る人の歌を書きました。これまでと違うタイプの2曲が先行配信されましたが、7月にはまた元気な曲が出るので、安心してください(笑)。“自分の歌”だと思ってもらえる曲を歌いたい――お話は変わりますが、現在、ハマっているものはありますか。ハマっているのは、韓国のボーイズグループ「RIIZE(ライズ)」です。5月に日本初の単独公演が国立代々木競技場第一体育館で開催されて、行ってきました。私はメンバーのソヒくんが好きなんですが、本当に歌が好きで歌いたい人という感じがして、そういう姿を見ていると幸せな気持ちになります。――いいですね!あとは最近、タレントの野呂佳代さんが好きですね。もともと好きですけど。もしも職場にいてくれたらうれしい雰囲気の人だなと。三宅唱監督の映画『夜明けのすべて』(2024年)という映画を観たときに、実際に野呂さんは出演していないし、野呂さんより年齢が上の人物なんですが、まるで野呂さんのようだなと思うイメージの女性がいて。友達とも「我々は職場に野呂さんがいない現実とどう向き合うか」と話していたぐらい(笑)。この映画は“同僚”についての映画だと思うんです。ひとりでいろいろと抱えていて、遊びに行く気すら起きないけど、生きていかなきゃいけないから、そんなときでも会社には行かなきゃいけない。一番顔を合わせるのも同僚なんだよな、と。私はいまアルバイトもしていないし、同僚がいない状況ですが、この映画の職場のような同僚だったら、かけがえないだろうなと、同僚という関係性にもハマっています。――視点がすごいですね。ちなみに本日のお洋服は、花柄にレーシーな部分が特徴的ですが、ご自身で作ったものですか?いえ、これはRITSUKO KARITAというブランドなんです。最近は首がつまったデザインを好んでいて、冬はずっとタートルネックを着ていました。いまも首まである洋服を着ることが多いですね。――いろいろなお話をありがとうございました!では最後に、今年の抱負を教えてください。先行配信した新曲もそうですが、9月にリリースされるアルバムをたくさんの人に聴いてもらいたいです。前作ではもう誰にも褒められなくてもいいくらい、たくさんの褒め言葉をいただいたんですが、まだ届いていないな、足りないなという気持ちも。今回、楽曲作りに参加してもらったいろいろな人たちの力も借りて、もっと広く音楽が好きな人や、音楽はほとんど好きじゃない人にも、届けたいんです。みんなにとって“自分の歌”だと思ってもらえる曲を1曲でも多く歌いたいなと。29歳になったばかりなので、一段落ついたら、30歳になるまでにまた新しくやりたいことが頭に浮かぶと思います。取材後記『anan』本誌の連載でもおなじみの、みんなのDIVAゆっきゅんさんが、再びananwebに登場。前回同様、今回もカメラの前で艶やかにポージングをきめてくださり、どの姿もチャーミングで見入ってしまうほど。インタビューも丁寧にご対応くださり、楽しい取材時間を過ごさせていただきました。29歳のゆっきゅんさんのいま、そして30代になってからの未来も目が離せません!!そんなゆっきゅんさんの楽曲をみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!写真・幸喜ひかり取材、文・かわむらあみりゆっきゅんPROFILE1995年5月26日、岡山県生まれ。2014年よりアイドル活動を開始。2016年からポップユニット「電影と少年CQ」としてのライブを中心に、個人では映画やJ-POPの歌姫にまつわる執筆、演技、トークなど活動の幅を広げる。2021年5月より、セルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。「DIVA ME」「片想いフラペチーノ」の2曲を配信リリースし、インディーズデビュー。2022年3月、1stアルバム『DIVA YOU』をリリース。2024年9月11日に2ndアルバム『生まれ変わらないあなたを』をリリース。InformationNew Release「ログアウト・ボーナス」2024年5月15日配信※6月の【シャトルバス】の「ジャケ写」をお戻しの際、一緒にお送りください。「シャトルバス」ジャケ写入る「シャトルバス」2024年6月14日配信*以下から2ページ目です(わかりやすく原稿チェック時は1pで見られるようにしています)。写真・幸喜ひかり 取材、文・かわむらあみり
2024年06月24日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。詩人の小野絵里華さんをお相手に迎えた第2回目です。詩を書くとき、作詞をするとき、推敲はする?しない?そんな話をしてきました。くだらないけど大切なことこそちゃんと詩として残すべき。小野絵里華(以下、エ):私、もっと若い頃に毎日詩を書いていた時期があって。毎月、雑誌の投稿欄に大量に送りつけていたんです。ゆっきゅん(以下、ゆ):それ、“努力”っていうんですよ!エ:当時は1日に3~4編書いていました。なんか、上からも下からも詩がやってくる、みたいなエクスタシー状態でした(笑)。ゆ:すごい!私、自分のトークイベントで小野さんの詩を朗読したことがあるんです。結構長いんですけど、声に出したくなる詩ですよね。私はこれまで現代詩ってよくわからないものだと思って距離を取っていたんですけど、たまたま手に取って出合った小野さんの詩集を読んでみて、初めて「わかる…」と思いました。まさに、「女子会現代詩」ですよね!エ:すごく嬉しいです!そして私も自分で朗読するとき、長いなと思います(笑)。ゆ:小野さんのおかげで、現代詩と和解できました。エ:『ユリイカ』の投稿欄って後ろの数ページだから、みんな短めの詩を送るんですよ。それなのに私の作品は長くて(笑)。そのときは伊藤比呂美さんが選者だったんですけど、“こんなくだらないことをわざわざ詩にしなくていいと思うけど、大事なことがあるような気がする”というようなことを書いてくださって。ゆ:それ、めっちゃわかります。私も歌詞にもならないようなことを歌詞にしているので。朗読の話がありましたけど、詩を書くときに“声”を意識されますか?エ:声が立ち上がってくるようには意識しています。だから書いているときに、体感的に気持ちの良いリズムとか、間とか、どこで改行するとかは考えますね。ゆ:私、文章を書くときに改行を忘れちゃうんですよ。なんか一気に、ダ――ッと書いちゃう。エッセイとかだと、矢継ぎ早にしゃべって終わりみたいな。もちろん、推敲すればもっといい文章になると思うんですけど、いつも締め切りギリギリになって、エンターキー押すみたいな。ねちねち直しはしないです。エ:私も結構、直さない派。ほかの詩人の方ってかなり書き直しされるみたいで。私はわりと思いの丈をバーッと書いて、手が疲れたからここで終わり、みたいな(笑)。そのあと客観的に読んでなるべく修正するけど、書き始めは結構早く書いちゃう。ゆ:基本的に休みたい。寝たい。って思ってるから、作詞のときもすぐ休憩を取っちゃいます。根が“姫”ですみません!おの・えりか詩人。東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2010年に『ユリイカ』(青土社)の新人賞を受賞。’22年に第一詩集『エリカについて』(左右社)を刊行。’23年に同詩集で第73回H氏賞を受賞。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年6月19号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年06月19日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回から、詩人の小野絵里華さんとの対談を4回にわたってお届けします!第1回目のテーマは「ポエジーは風景からも天井からもやってくる」です。ポエジーは風景からも天井からもやってくる。ゆっきゅん(以下、ゆ):小野さんのことを知ったのは昨年の秋。出会いは、ユーミンのコンサートを観に行った仙台…のブックオフなんです。そこの詩のコーナーで小野さんの詩集『エリカについて』を見つけました。「地球上の生活がぜんぶエリカで、エリカが詩だった」という伊藤比呂美さんの帯文が気になり、少し開いてすぐ買いました。以来、何冊も買って新刊を友人に配っていて(笑)。小野絵里華(以下、エ):ありがとうございます、嬉しいです。ゆ:それからいろいろ調べたんですけど情報が少なく、X上ではもはや伝説の詩人となっています。エ:伝説!(笑)恐縮です。ゆ:小野さんに、詩を書き始めたきっかけを聞きたいです。エ:詩って、読むのが先の人と、作るのが先の人がいると思うんですけど、私は完全に後者で。風景を見ていたら、詩が勝手にやってくるような子どもだったんです。いつも脳内で、言葉をころころ転がしていました。ゆ:じゃあ、子どもの頃から。エ:物心がつく前からだったので、まだそれを「詩」とは認識してはいなかったと思います。ただ、そこにはポエジーとしか呼べないような何かはありました。ゆ:詩って、“書くぞ”と思って始まるものじゃないですよね。エ:絵を描くのとも似ていて、まだそれが何かはわからないんだけど、どこかほわほわするような感覚があって。大学院に行き始めた頃からちゃんと意識して、詩を書き始めました。ゆ:以前、小野さんが書かれた論考で“言葉よりも風景=「言葉<風景」”という話をされていたと思うんですけど、私もそうなんです。私は歌詞として、きれいなもの、面白いけどまだ歌われていないことなどを歌にしたいと思って表現していて。ただ言葉を褒められたときに、「いや違うんです、本当はこの風景自体が素敵で、私はそれにどうにか近づけるよう歌っているだけなんです」という意識なんですよね。すごいのは風景。エ:まさに、そういう意識です。ゆ:ちなみに、私にポエジーを降ろしてきたものは天井だったんです。ずっと家で天井を見ていて。エ:天井って、空の比喩ではなくて?本物の天井ですか…?ゆ:はい。ずっと狭く散らかった部屋に住んでいて、部屋の中できれいな場所が天井しかなくて。ずっと天井を眺めている人がそれでも立ち上がる歌の歌詞を書いたのが始まりです。だから私に与えられたポエジーは、天井から。エ:それ、いいですね!(笑)おの・えりか詩人。東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2010年に『ユリイカ』(青土社)の新人賞を受賞。’22年に第一詩集『エリカについて』(左右社)を刊行。’23年に同詩集で第73回H氏賞を受賞。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年6月12号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年06月12日大好評連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。金原ひとみさんとの対談を終えたゆっきゅんが、前回までを振り返って言葉を綴ります。対談収録のこぼれ話と、ゆっきゅんが感じた金原さんの優しさについて。もちろん、カラオケ話もあります!!嘘のない、まっすぐな優しさにあとから気づいた日。金原ひとみさんの小説の主人公にずっと憧れがありました。飲むしかないから酒を飲み、恋や愛のためにのたうち回ることができ、怒りや情動を人とぶつけ合い、抗いようのない感情に駆け回られて、それでも知性が猛ダッシュで追いかけてきて、気づいたら遠くまで辿り着いてしまっているような人のことです。私に中途半端な理性さえなければこうなれるのに!みたいな、そんな理想像として、金原さんの書く人物像はあったのでした。私は頭ん中だけ自由であらゆることを考えたり気持ちが突っ走っていくことは全然あるけど、結局理性的で自制心がバキバキに働くタイプなので、あんなふうにはなれなくて(なる必要もまあない)。逆に、友達はそれを地でいってる人が結構多くて、特徴としては、近況を聞くといつも何らかの事件を教えてくれることと、金原ひとみ作品が好きというのがあります。対談が終わった時に、金原さんが「今日は友達が増える気持ちで来たんです」って言ってLINEを聞いてくれて、え!あー、この時間楽しんでくれてたんだ、と安心して嬉しくなるとともに自分が緊張していたことも自覚しました。会う前からきっと最高な人なんだろう…と思っていましたがやっぱりすごく優しくてかっこよくて大好きになってしまうのでした。個人的に金原さんらしさを強く感じた言動があって…対談に載せきれていない部分ですが『ミーツ・ザ・ワールド』の感想を伝えた時に、どう向き合えばいいかわからないままだった知人の死について話したら、金原さんが「つらかったですね」と言ってくれて。その時、自分のことを考えていなかったので驚いて、咄嗟に「いや、つらかったのはその人です」と笑って返してしまったのですが、どうして金原さんの優しさをすぐに受け取れなかったんだろう。金原さんのあの嘘のないまなざしで、私は自分がつらかったことをちゃんと思い出せたような感じがしました。後日、もちろん金原さんとカラオケへ。共通の友人の作家・柚木麻子さんと3人でパセラに行ったらまず「歌舞伎町の女王」を歌ってくれたこと、忘れられない景色です。ひとみの林檎たまらん。一緒にm-flo の「come again」を歌っている時、ラップを完コピしておいたこの人生は間違ってなかったと思えました。金原さんが強気で保護者会に行くための歌、いつか必ず作ります。みんな覚えてて。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年6月5号より。写真・幸喜ひかり文・ゆっきゅん(by anan編集部)
2024年06月05日ベッド着地から数秒後に「ふえええん」ゆんさんはYouTubeユニット・Fischer’sのシルクロードさんとの結婚を2023年5月30日に報告し、第一子の男の子「コルク」くん(愛称)が誕生したことを今年4月2日に公表。夫婦で子育てに励んでいます。そんなゆんさんが、コルクくんが生後1カ月を迎え、1カ月健診に出かける際の動画をYouTubeで公開。冒頭で朝の授乳後に「背中スイッチを発動しないことを祈って」ベッドに寝かせるシーンがありましたが、着地から数秒後に「ふえええん」と泣き出してしまいあえなく失敗…!背中スイッチが発動しないよう、毎回緊張しながら寝かせているパパやママも多いのではないでしょうか。最近のコルクくんは「顔の表情もしっかりしてきて」、笑顔を見せたり、泣く前に困り眉になったりするように。表情が豊かになってくると愛おしさがいっそう増しますよね。手慣れた様子でコルクくんのお世話するシルクロードさんに「シルクの顔がちで父親だわ…」「お2人協力し合う姿が微笑ましくて幸せそうで素敵ですね」「ゆんちゃんもすっかりママだけど、シルクくんもデレデレなパパだね」などのコメントが寄せられました。その間に、ゆんさんはスキンケアやヘアセットなど身支度を整えていました。この日は1カ月健診で出かけるために時間を作ったものの、普段はスキンケアする時間などはなく、慌ただしく過ごしているよう。子どもが赤ちゃんのうちはどうしても自分にかける時間が少なくなりがちです。コルクくんの生後1カ月健診、そしてゆんさんの産後1カ月健診の結果はそれぞれ特に問題なく、この日から湯船に浸かってもOKに。コルクくんは散歩などの外出も可能になったといいます。コルクくんの日々の成長がうれしい一方で、ゆんさんは「このままのサイズ感でいて欲しい」と思うこともあると言っていました。赤ちゃんの時期ならではのかわいさはたまらないものですし、同じように感じたことがあるパパやママも少なくないのではないでしょうか。生後1カ月を迎えたら、外出できる?新生児のうちは、受診などの特別の用事以外では外出は控えたほうがいいとされています。そして、1カ月健診を終えたらちょっとした外出やお出かけもできるようになります。まずは天気が穏やかな日に、赤ちゃんを屋外の空気に触れさせてあげる外気浴をさせます。近場に短時間お出かけする場合の持ち物は、おむつ4~5枚、着替え一式、汚れたおむつや着替えを入れるビニール袋、お尻ふき、ガーゼ、タオル、必要に応じてミルクや哺乳瓶など。お散歩などのちょっとしたお出かけはよいですが、旅行などの長時間のお出かけはもう少し大きくなってからがおすすめです。(マイナビ子育て編集部)参照:生後1ヶ月の赤ちゃんの特徴は?成長の目安&よくある悩み・不安と対策まとめ【医師監修】外気浴はいつからすればいい?やり方と大事な2つの注意点
2024年06月04日大好評の対談連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。作家の金原ひとみさんをお相手に迎えたおしゃべりも、ついにラストです(過去回もぜひお読みください…!)。今回は、お互いの小説執筆、作詞作業のことについて、お話しました。現実が実人生だけだったらきっと耐えられない。ゆっきゅん(以下、ゆ):私、一般的な人が抱えてる課題みたいなものから降りてるから、年齢ごとの苦労とかよくわからなくて。金原ひとみ(以下、金):私もそこから脱却してるんですよね。小説を書いているせいかもしれないけど、現実が絵空事というか、地に足がついていないところがあって。臓器が捻れそうなほど泣いたり喚いたりしてても、どこかで小説のネタとして捉えてるところがあって。あまり誠実に現実と向き合ってないんじゃないかな、と思ったりもします。ゆ:現実に起きていることや、それへの向き合い方が小説になってるってことですよね。金:そうですね。私の場合はすべてが小説につながっていくから。創作と実人生が編み込まれちゃってる感じがする。実人生は俯瞰して眺めている感じがします。ゆ:自分を見つめる客観性が、どの作品にもありますよね。鋭くて冷たくて、それでいて熱い。金:私は小説世界があることでなんとか生きてこれたんです。現実が実人生だけだったら絶対耐えられなかった。ゆ:金原さんは小説を書き始めたのも早かったんですよね。金:小6の時ですね。いくつか書いていくうちにこの仕事でやっていきたいなって思ってました。ゆ:日記とかは書いてました?金:それは今でも全然ダメ。ゆ:私も(笑)。私の場合はただの怠惰でなんですけど、出来事をただ書くのってつまらなくて。考えてることを書いてみても、1年後に読み返したら、どこに行って何をしたかがわからない(笑)。金:いや、どこで何をしたかより考えを書くほうが絶対大切です!ゆ:勇気をもらいました(笑)。じゃあ、金原さんは最初からフィクションだったんですね。金:そうですね。私、エッセイの依頼がきても小説と同じ感覚で書いちゃう。エッセイだと思うと途端にチューニングが狂っちゃって。やっぱり小説と同じ視点のほうが書きやすいんです。ゆ:それでいうと私、たまに文章を書く仕事もしているけど、自分の考えは歌詞にするのが一番しっくりくる感じがします。散らかった思考を説明なしで書けるのが気持ちよくて。私にとって作詞って、すごく自由なんですよね。金:それめっちゃいいですね!ゆ:作詞だけは楽しい。金:これだけは楽しいってものがあるのって強いですよね。素敵!ゆ:いや、もうちょっと楽しいこともあるかも(笑)。でも、現段階では作詞が一番楽しいです!かねはら・ひとみ1983年、東京都生まれ。作家。2003年『蛇にピアス』(集英社)ですばる文学賞を、翌年に同作で芥川賞を受賞。若い読者を中心に絶大な支持を受ける。近著に『腹を空かせた勇者ども』(河出書房新社)、『ハジケテマザレ』(講談社)。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年5月29号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年05月30日大好評の対談連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。作家の金原ひとみさんをお相手に迎えたおしゃべり第3弾。今回は、金原さんがゆっきゅんに、あるリクエストをして…?本日も大盛り上がりでお届けします!保護者会に行く前に聴ける強くなれる曲を作ってほしい。ゆっきゅん(以下、ゆ):私、金原さんの言葉に最初に触れたのは、実はCharaの「きえる」だと思う。映画『蛇にピアス』の主題歌だったけど、R15+で当時は観られなくて、音楽が先でした。あの歌が入ってるアルバムを借りて、ずっとリピートしてました。金原ひとみ(以下、金):Charaはもともと好きですか?ゆ:それから、今でも好きですね。金:私も中学生の頃からよく聴いてて、コラボの話をもらった時はすごく興奮しました。でも、苦労したんですよ。歌詞って難しくて。メロディに合わせる書き方だったんですけど、言いたいことを言おうとすると超字余りで。ゆ:文字数が足りないですよね。金:作詞ってすごい能力ですね。ゆ:いやいや、小説ってすごい能力だと思います(笑)。金:小説を書こうとしたことは?ゆ:今のところは歌詞だけで表現できているからないですね。金:書くとしたら私小説かな?ゆ:絶対そう。作詞でもそのままではないにしろ自分自身を出し切ってるから。作品にすることで人生や見てきたものを整理してます。金:私、昔は本が出る度に、出産みたいな感覚があって。自分が肥やしてきた怨念みたいなものを産み落として1冊の本にするというか。表現しないと納得できないものが小説の核になってるから、本ができてやっと何かが成仏する感じ。ものづくりをする人はみんなそういう感覚かもしれないですね。ゆ:私もそういう核がしっかりある歌が好きです。自分がいつ音楽に救われてきたかっていうと、遅刻確定で電車に乗っている時とか、最悪な状況下なんですよね。あの時イヤホンがなかったら倒れてたって思う場面、何度もある。金:わかる、日常的に救われています。ゆ:だから音楽って一人で聴くものって意識があります。ライブに行っても自分だけに歌われている意識で聴いちゃう。一人でこの世界をどう生きていくか?という時に、必要なものなんです。金:日常を支える音楽だ。ゆ:出勤、退勤、勉強、執筆…。金:いろいろ作ってほしいです。ゆ:どういうシーンを支える曲が欲しいですか?金:なんだろう、保護者会に行く前に聴ける曲とか欲しい。気が重くなるような出来事の前に、気高く、そしてすべてを蹴散らす気持ちになれる曲。ゆ:強くなれる感じですね。日常の憂鬱を吹っ飛ばして踊れる、中島みゆきと太陽とシスコムーンが合体したような曲を作ります!かねはら・ひとみ1983年、東京都生まれ。作家。2003年『蛇にピアス』(集英社)ですばる文学賞を、翌年に同作で芥川賞を受賞。若い読者を中心に絶大な支持を受ける。近著に『腹を空かせた勇者ども』(河出書房新社)、『ハジケテマザレ』(講談社)。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年5月22日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年05月22日大好評の対談連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。作家の金原ひとみさんをお相手に迎えたおしゃべり第二弾。今回は、音楽の持つ効能について意気投合しました!言葉を扱う仕事の人ほど音楽で頭をまっさらにすべき!ゆっきゅん(以下、ゆ):金原さんって絶対音楽好きですよね?金原ひとみ(以下、金):好き!ゆ:『ハジケテマザレ』でもクラブで爆踊りするじゃないですか。あのシーンは最高でした!金原ひとみさん著『ハジケテマザレ』(講談社)。エモいです。金:この間、女性作家5人くらいの会があって、踊れる人と踊れない人がいるって話が出たんです。これはもう運動音痴というより、使ってる脳が違うよねって。ゆ:特に、家で一人で書くのを仕事にしている人たちは踊り慣れていないですしね。金:でも、こういう仕事をしていて言葉や理論で頭がいっぱいになっているからこそ、音楽で頭をまっさらな状態にする必要があるなって思います。そうでないと、頭が固くなって新たな発想とか生まれないんじゃないかな。ゆ:バランスをとるために?金:うん、両輪でやっていかないと、ですね。ゆ:私、クラブのイベントに出たりするんですけど、最後までいると感動しちゃうんです。今夜ここで踊るしかない人たちが今ここにいるんだなって。もちろん、我に返るべき空間じゃないことはわかってるんですけど。金:私も。突然エモさにからめ捕られて言葉が止まらなくなって、その場で必死に書き留めたりする。ゆ:“今”しか絶対出てこない言葉ってありますよね。現実の情景は別に関係ないのに。金:行き詰まってる小説の次の展開がパッと浮かんだり、全然違う話と話が頭の中でつながったり。ゆ:私もクラブの壁にもたれて思い浮かんだ歌詞のメモが何十分間も止まらなくなったことがあります。ちなみに金原さんは、執筆中も音楽を聴きますか?金:聴くけど、最近はわりとイヤホンを挿したまま何も聴いていないことが多いです。音楽によっては世界観に強く影響しちゃうから。ゆ:普段はどんな音楽を聴いていますか?好きなジャンルとか。金:日本のロックバンドが好きです。最近だったらSPARK!!SOUND!!SHOW!!やw.o.d.、クリープハイプ、My Hair is Badも好きです。ゆ:歌詞に重きを置きますか?金:歌詞における物語性がすごく好きなバンドと、ノリや音自体が激しくて耳心地がいいバンド、両方好きです。ゆ:え、豊かな音楽体験!私、歌詞が好きなアーティストばかり追いかけちゃう。金:たとえばどんな人?ゆ:女性ソロ歌手、DIVAが全員好きです。その道を選んでくれたってだけで、もう大好き。金:その道自体が最高だもんね!かねはら・ひとみ1983年、東京都生まれ。作家。2003年『蛇にピアス』(集英社)ですばる文学賞を、翌年に同作で芥川賞を受賞。若い読者を中心に絶大な支持を受ける。近著に『腹を空かせた勇者ども』(河出書房新社)、『ハジケテマザレ』(講談社)。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年5月8日‐15日合併号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年05月15日JA全農が運営する産地直送通販サイト「JAタウン」は、「食」と「農」にまつわるテーマをMCの秋元真夏さんがゆるふわっと配信するYouTube番組「ゆるふわたいむ」で、JAタウンの食材を使用した番組配信をしています。今回の配信は、JAタウンオフィシャルサポーターの秋元真夏さんが、「食」と「農」にまつわるニュースを紹介する「ゆるふわタイムズ」で、「農福連携の取り組みとJAタウン」をテーマに届けします。農業分野における農業従事者の減少や高齢化などの問題を解決するための農福連携の取り組みのほか、JAタウンのショップ「農福市場」での農福連携産品の販売について紹介します。また、秋元さんが原稿を読むなかで、噛んだ回数に応じて視聴者プレゼントが決まるというゲーム性も加えた企画となっております。ぜひお楽しみください。配信タイトル:秋元真夏が農畜産業界のニュースをゆるふわっとお届けするゆるふわタイムズ【農福連携編】URL: ■番組概要・タイトル:「食」と「農」のゆるふわバラエティゆるふわたいむ・公開媒体:公式YouTubeチャンネル ・内容:「食」や「農」を幅広い世代にもっと身近に感じてもらうことを目的に、MCの秋元真夏さんが「食」や「農」にまつわる企画を“ゆるふわっと”配信する番組。産地直送通販サイト「JAタウン」の食材を使用したさまざまな企画を実施します。・配信日:毎週火・金 18時※諸事情により配信日時が変更になる場合があります。■産地直送通販サイト「JAタウン」特設ページ「秋元真夏の『おいしい』を集めました。」URL: 【JAタウン】JAタウンは、全国農業協同組合連合会(JA全農)が運営する産地直送通販サイトです。「おいしい日本と暮らそう。」をテーマに、「JAタウン」に出店する全国の農協(JA)などが、各産地で育まれた旬の農畜産物や特産品を、インターネットを通じてお客さまに直接お届けし、食を通じて豊かな暮らしの実現を目指しています。JAタウンイメージキャラクターは「じぇー太」。URL: 【公式X(旧Twitter)アカウント「JAタウン【公式】」】「JAタウン【公式】」では、全国の産地の旬の農畜産物やお得なキャンペーンの情報を都度発信しています。公式X(旧Twitter)アカウント: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年05月10日大好評の対談連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回からは、作家の金原ひとみさんをお相手に迎えたおしゃべりをお届けします!“共感”の大切さとヤバさ、そして大人にこそバイト先が必要な理由まで、じっくり話しました。ゆるい人間関係を築ける“バイト先”は、大人にこそ必要かも。ゆっきゅん(以下、ゆ):金原さんの作品を読んで、私は共感メインで他者とつながっているってことを思い知らされました。趣味が合うとか、あれはキモいと思うとか、そういう話を共有できる人とばかり一緒にいちゃうんです。金原ひとみ(以下、金):フリーランスで好きなことばかりしていると、そうなっていきますよね。ゆ:新しく友達ができても、“いつのタイミングで出会っていたとしても仲良くなってただろ”みたいな人ばかりだから。金:私もデビュー当時は尖ってて、嫌なものを切り捨て自分の理想郷みたいな狭い世界で生きてました。でも海外では多少苦手な人ともある程度情報網を共有しないとうまくやっていけない状況で。少しずついろんな人とつながれるようになりました。一方で最近の若い子たちを見てると、やっぱり共感って重要視されてると思います。ゆ:金原さんのお子さんってもう高校生でしたっけ?金:今16歳なんですけど、友達とお互いを批判し合う文化がないんです。だから私が“それは違う”ってはっきり言うと“そんな全否定しなくてもいいんじゃない”って目を向けられる。ゆ:私も最近、共感ばかりでつながるのはヤバいなと思いました。金:私もたとえ嫌な相手でも全否定はできないところがあると考え始めて、ちょっとずつ受け入れていかなきゃと思いました。宗教も人種も考え方も生い立ちも違う人とも世間話ができたりとか、円滑に生きていく術は必要だなって。ゆ:金原さんの『ハジケテマザレ』を読んだ時に、バイトの人間関係ってそうだったなって思いました。明らかな他者というか、全然自分と違うところで生きている人との会話って、すごい好きだったんだなって、自分のバイト経験を思い出したりして。金原ひとみさんの『ハジケテマザレ』(講談社)。最高のバイト小説!金:私も書いている時に久しぶりにバイトしたくなりました(笑)。別に仲良くする必要もない、束縛もない状態で、たまたま集まったメンバー同士が、その場限りの楽しい空気を作るって、大人になるとなかなかないから。ゆ:誰もバイトに人生をかけているわけでもないから、自由に辞められる環境ですしね。お互いのことはあまり知らないけど、時間があるからしゃべる、みたいな。金:私も飲食でバイト経験があるけど、すごく楽でありながら刺激的でした。…なんか、大人にこそ「バイト先」が必要なんじゃないかって思ったりする。ゆ:私が今やるべきは、バイトなのかもしれない…!かねはら・ひとみ1983年、東京都生まれ。作家。2003年『蛇にピアス』(集英社)ですばる文学賞を、翌年に同作で芥川賞を受賞。若い読者を中心に絶大な支持を受ける。近著に『腹を空かせた勇者ども』(河出書房新社)、『ハジケテマザレ』(講談社)。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。インスタ、Xは@guilty_kyun※『anan』2024年5月1日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年05月01日大好評連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。柴田聡子さんとの対談を終えたゆっきゅんが、前回までを振り返って言葉を綴ります。柴田さんとは“友情ソング”を歌うDIVAという共通点があるゆっきゅん。今回のテーマは「恋と友情の違い」です。2人のDIVAが恋と友情の違いを語った日。柴田聡子さんと対談したのは新たなる名盤『Your Favorite Things』が発売されるよりまだ少し前の冬の日で、あのアルバムが発売されていたら、マジでその話ばかりしていただろうと思います。デビュー曲でドリンクバー愛を歌い上げ、いくつもの楽曲で友達のことを書いている私にとって、柴田さんは“友情”と“飲み物”について歌う共通点を持つ、大好きな先輩DIVAです。マウンテンデューを「あるとうれしい泡の飲みもの」と歌ったり、コーヒーを飲んでいる様子のことを「黒い水をすする」と表現したり、いつも飲み物へのものすごくしっくりくる独自の視座があってしびれます。私は今、ウォーターサーバーってどうやって歌詞に出そうかなって悩んでるとこなんですけど。柴田さんの歌詞には、どうしてこうなったんだろう?と驚くようなものがあるのに、それは一方でどうしてもこうだったんだろうなと即座に納得できるような言葉でもあって、新曲を楽しみにするのはもちろん、1曲を聴いている間にも、次の行、次の瞬間に歌われることを楽しみにし続けている、そんな存在なのです。どれだけ気さくに明瞭に話し合えても、歌の中にあるほんとうの螺旋は、柴田さん自身も自覚していない領域があるのだろうと感じます。ラブソングというデカすぎる命題がある前で「友情をどう捉えてる?」と聞かれたとき、うまく答えられなかったけど、今思えば、頭がよじれないほうの大切なやつ、だなと感じています。恋と友情の違いは、頭がよじれるかどうか。恋してる人って頭よじれてる。友情にもたくさんの感情を使うけど、頭はよじれない。どちらにせよ、作詞という作業自体が私にとって頭のよじれることなんだけど。はあ、ラブソングか友情ソングかの区別を飛び越えたような関係性の作詞をしてみたいなとずっと思ってるんですよね。YUKIなら「ハミングバード」、globeなら「Wanderin’ Destiny」、aikoなら「ひまわりになったら」みたいな歌が全て好きなのでね。もっともっと書くぞと改めて思いました。対談後はやはりそのまま柴田さんと二人でカラオケへ。最初に安室奈美恵さんの「Baby Don’t Cry」を歌ってくれて私は感激。中島みゆきさんのコンサートを観に行く旅行の約束までして、本当にこの対談企画は最高の連載だと思いました。DIVAの友情発生。ありがとうございました、柴田さん、そして、anan様……。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタ(@guilty_kyun)を要チェック。※『anan』2024年4月24日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年04月24日あの人とかけがえのないおしゃべり!ゆっきゅんによる連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。柴田聡子さんをお相手に迎えた対談の4回目、ラストは創作についての考え方、感じ方について話が転がっていき…?“恥ずかしくないもの”は世に出してはいけない!?ゆっきゅん(以下、ゆ):柴田さんは学生時代に映像を学んでいたんですよね?柴田聡子(以下、柴):そう、映像学科にいて、大学院まで。ゆ:私も!映画を研究するゼミで、大学院まで修めました。映像は作っていたんですか?柴:作ってたけど、ヤバい奴だった。3年生の進級制作の時は、長い棒を作って天井から垂らすだけの作品を作ってて(笑)。4年生の時は山に行って歌う映像作品を作ったんだけど、それが山の景色しか撮っていないもので……。ゆ:自分が歌うところではなく、歌を聞いている山だけを撮影?柴:そう。私はその頃から徐々に歌うことに興味が出ていたんだけど、先生に「これからの時代、人に聞かせたって意味がないぞ、山とかに聞かせなきゃ」とか言われて。本気になって山に聞かせに行ったのが私です。で、講評の時は「これはなんであなたを写していないの?」って言われた(笑)。ゆ:そういえば、柴田さんの歌詞って山がたくさん出てきますよね。柴:登ったりはしないんだけど、山へは並々ならぬ感情があって。地元(札幌)に結構あるからかな。夜中に「8000メートル峰」のWikipediaを読んだりする。ゆ:ヒマラヤ山脈とか?ご自身でMV制作もされたり、映像も山も活動に生かされてますね。柴:ゆっきゅんの映画も、今の活動に生かされていると思う。ゆ:最近の創作についても伺いたいです。曲の変化とか。柴:年を重ねるごとに素直になってきた実感はあるんだよね。はったり風はやめて、本気で真面目にやってやろう、みたいな。そうしたら解放されてきて、めちゃめちゃ自分自身が楽になってきたの。ゆ:これまでは言わないようにしていたことがたくさんあったり?柴:いっぱいあった。でも、ビヨンセや宮﨑駿の映画やドキュメンタリーでその仕事ぶりを見ていると、誰かのため以前に、ちゃんと自分のためにやりたいことをしているなって思って。だから受け取り手を意識して表現の舵取りをする必要なんてないのかも、って最近は考えるようになってきたかな。ゆ:自分が納得できる、本当にいいものを作ろうって感覚ですね。柴:やっぱり創作はエゴの塊でしかないんだっていう諦めがついた感じ。恥ずかしいけど。ゆ:素直になって、恥ずかしい?柴:そう。今現在もずっと。ゆ:わかります。“恥ずかしい”ってひとつの基準かも。世に出して恥ずかしくないものなんかないし。柴:だよね、恥ずかしくいよう!しばた・さとこ1986年、北海道・札幌市生まれ。シンガーソングライター、詩人。2月に7作目となるアルバム『Your Favorite Things』を発売。現在リリースツアー中。ファイナルは5月31日の東京・Spotify O‐EAST。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年4月17日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年04月17日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。シンガーソングライターで詩人の柴田聡子さんをお招きしての対談、第3回目。世の中にはラブソングが多すぎて、友情ソングが少なすぎ…!?友情ソングを歌うDIVAの2人は何想う?かけがえのないものを描く友情ソングはブルーオーシャン?ゆっきゅん(以下、ゆ):柴田さんと私の歌詞なんですけど“飲み物”と“友情”が共通項になるなって。柴田さんの歌、スプライト、マウンテンデュー、泡の飲みものとか出てくるじゃないですか。柴田聡子(以下、柴):本当だ!ゆ:私も飲み物が好きすぎて、ドリンクバー、白湯(さゆ)とか歌詞に出してる。柴田さんは勝手に飲み物ソングの先輩だと思ってます!柴:DIVAが白湯を歌うっていいよね。白湯の概念を変えてる。ゆ:でも、日本で一番愛されているソフトドリンクの歌はくるりの「ばらの花」だから、ジンジャーエールはあれよりもいい歌詞を書けたときにしか出せないですね。柴:たしかにあれは超えられないな。叙情の誘い方が半端ない。ゆ:そして“友情”です。柴田さんが“「後悔」はとっておきの友情ソングです”ってライブで紹介していて、びっくりしたんですよ。柴:恋愛の歌だと思ってた?私、恋愛と友情のあわいがかなりあいまいな人間なんだよね。ゆ:意味が変わって聞こえて、より曲の豊かさが増しました。柴田さんの歌って、友情ソング多いですよね。私、それが好きで。柴:ゆっきゅんも友達の歌が多いでしょ?友情をどう捉えてる?ゆ:たぶん、aikoさんがラブソングを書くのと同じ感覚なのかも。日常に友達との出来事がたくさんあって、友情に対して大きな感情を抱くこともある。要は、かけがえのない大切なものです。柴:そうだよね。でも私はもう執着に近いかも。失うのも怖いし、維持するにはどうすべきか考えたりするし。その子とのことを思い出して、何曲も書いたりして。私はとにかく友達と死ぬまで楽しく過ごしたいの。絶対ケンカとかしたくなくて、素敵な思い出しか作りたくない。なんか、私が一番好きな関係性の形態が友情かな。ゆ:ラブソングはたくさんあるけど、世の中に友情ソングってバリエーションが少ないんですよね。“友達最高!”みたいな曲はあるけど、例えば友達の結婚に対する複雑な感情とかって歌われてなくないですか?多分友情ソングはブルーオーシャンだと思う。柴田さんを見て、もっと友情について書いていいんだと思いました。柴:すべての感情はラブソングになると思うんだけど、恋愛感情ばかりが作品として優遇されているんだよね。恋愛ってすごい王者。でもラブソングの中にも友情ってあると思うし、自由にいろんな意味の読み取り方をしてみてほしい。ラブの中にある友情のことも忘れないでいたいな。しばた・さとこ1986年、北海道・札幌市生まれ。シンガーソングライター、詩人。2月に7作目となるアルバム『Your Favorite Things』を発売。現在リリースツアー中。ファイナルは5月31日の東京・Spotify O‐EAST。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年4月10日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年04月10日毎シーズン大活躍する【グローバルワーク】の「おしゃれスウェット」は、ゆるっとしたシルエットで可愛らしさを演出。着心地のよさはもちろん、デザイン性も兼ね備えており、さまざまなスタイリングにマッチしてくれるでしょう。今回はそんなおしゃれスウェットのおすすめコーデをご紹介! どんな時代でも活躍するスウェットアイテムを詳しく見ていきましょう。子どもっぽくならない!スウェット × ワンピースで大人のカジュアルコーデ出典:.st大人のカジュアルスタイルを希望する日には、今回の八分袖スウェット × ワンピースがぴったり! スウェットの子どもっぽさを払拭し、大人らしい雰囲気を演出します。スウェットのリラックス感とワンピースの女性らしいシルエットが絶妙にマッチし、抜け感のある着こなしを叶えてくれるでしょう。程よいゆとりがあるシルエットで、動きやすさも◎。日常のさまざまなシーンで活躍する、大人のカジュアルコーデにおすすめです。シンプルに着こなす♪リブラインスカートと合わせたスタイリング出典:.stシンプルながらもおしゃれ感満載なのが、リブラインスカートとスウェットのスタイリング。リブ素材のスカートが足元に程よいアクセントを与え、シンプルなトップスとのバランスもばっちり♪ モノトーンで統一すればクールな印象も演出でき、カラーアイテムを取り入れれば春らしい爽やかさもプラスできるでしょう。日常のカジュアルなシーンからちょっとしたお出かけまで、幅広いシーンで活躍するスタイリングです。レイア―ドで一気にこなれ感!スウェット × ロンTでカジュアルコーデ出典:.stおしゃれ上級者のコーデを楽しみたいなら、レイヤードスタイル一択! スウェットにロングTシャツをレイヤードすることで、一気にこなれ感が演出されるでしょう。スウェットのカジュアルさとロングTシャツの抜け感が絶妙にマッチし、トレンド感のあるスタイリングに仕上がります。ボトムスはあえてテーパードパンツなど、すっきりとしたアイテムを合わせることで全体のバランスを取りつつ、シンプルながらもおしゃれなコーディネートが完成します。相性抜群!スウェットとデニムで王道コーディネートも出典:.stスウェットとデニムの組み合わせは、王道のカジュアルコーディネート! リラックス感のあるスウェットに、クールなデニムを合わせることで、スポーティーなスタイリングに。今回紹介している八分丈のスウェットは、カジュアルですが洗練されたシルエットでスタイリッシュな印象もあるため、大人の抜け感があるコーデになるでしょう。デイリーで活躍する、相性抜群のコーディネートをぜひ試してみてくださいね。※すべての商品情報・画像は.st出典です。※記事内の情報は執筆時のものになります。価格変更や、販売終了の可能性もございます。最新の商品情報は各お店・ブランドなどにご確認くださいませ。writer:楓乃
2024年04月10日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。シンガーソングライターで詩人の柴田聡子さんをお招きしての対談、第2回目です。作詞をするときの苦悩、曲のタイトルを決めるときの心境…DIVAの2人だからこその“あるある”エピソードで大盛り上がり!曲のタイトル決めはぬいぐるみの名付けと一緒。ゆっきゅん(以下、ゆ):作詞についての話を聞きたいです!柴田聡子(以下、柴):私は自分自身が驚くような言葉を思いついたら、やめておこうかなと思うタイプ。“これを言ったら強いんだろうな”と思いながらも、「ドヤ感」を抑えて、なるべくナチュラルに仕上げてしまう。ゆ:「キラーフレーズ」「パンチライン」とどう付き合うか問題ってありますよね。私もそこまで強い言葉を意識してはいなくて。素直にAメロから書くことが多くて、最後どう着地するかは自分でもわからなくて、「こうきたか」と新鮮さを感じて驚くことがあります。柴:まずは言葉の行きたいほうに自由に行かせてあげて、自分はちょっと手綱を引く感じっていうのかな。そのほうが、言葉というものに誠実な感じがしていいよね。ゆ:歌詞ってやっぱり“音楽の言葉”でしかないんだなと思いますよね。メロディに依拠しながら導かれるもので、歌詞単独では全然成立しない。歌われてこその言葉だなって。柴田さんは歌詞をどのタイミングで書く人ですか?柴:私は曲もほぼ自分で作るので、同時が一番調子いい。曲が先の時もあるけど、途中でダメだと思って歌詞と一緒にメロディを直すことが結構あるの。だから曲があって“これに歌詞をつけてください”系の依頼は難航しちゃう。その点、ゆっきゅんの曲は歌詞で死ぬほどジャンプしてるよね。ゆ:自分ができるのは作詞だけですから。柴田さんの曲作りの順番としては“この言葉を歌うにはこのメロディ”って思考ですか?柴:なんかそこをしっかり顧みたことがないんだけど……。ゆ:二度と顧みないでください!無粋な質問をしてしまった。柴:全然(笑)。でもテニスや卓球みたいな感じ。打ち返し合ってるかな。バランスをとりながらできるのは、作詞と作曲のどちらもやる良さかなと思う。でも、タイトルは悩むなぁ。センスなくて。ゆ:嘘だ!タイトルセンス素敵すぎますよ!柴:ぬいぐるみの名前を決める感じで、“決めちゃったら一生この名前でいくんだよな”ってためらいながら、最後に決めてますね。ゆ:悩んだタイトルあります?柴:あります。「後悔」とか。ゆ:柴田さんの歌い方の良さのひとつってすっとぼけた声(褒めてます!)でケロッとしてる感じだと思うんですけど、表現する内容との歌い方に少し距離があって、かっこいいんですよね。柴:歌い方がコンプレックスでもあったからすごく嬉しい!しばた・さとこ1986年、北海道・札幌市生まれ。シンガーソングライター、詩人。2月に7作目となるアルバム『Your Favorite Things』を発売。現在リリースツアー中。ファイナルは5月31日の東京・Spotify O‐EAST。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年4月3日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年04月03日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回から、シンガーソングライターで詩人の柴田聡子さんとの対談を4回にわたってお届けします!2人のDIVAの邂逅は、果たして…!?自分の道を切り開いた安室ちゃんに憧れて。柴田聡子(以下、柴):DIVAに会うからドキドキして来ました!ゆっきゅん(以下、ゆ):私もです。柴田さんがライブで安室奈美恵さんの「GIRL TALK」をカバーされているのを聴いた2週間後ぐらいに自分もカバーしました!柴:現在、ちゃんとカバーしてるのは私とゆっきゅんと藤井風さんぐらいじゃない?嬉しい!ゆ:柴田さんが愛好してきたDIVAってやっぱり安室ちゃん?柴:ですね、語り尽くせない!ゆ:私は『BEST FICTION』世代なんです。中学生の頃に再評価みたいなことが起きて。柴:私は安室ちゃんがデビューした頃から自然と聴いてて。結婚、休止、復帰と見届け、小室哲哉プロデュースから抜けた「Say the word」で、私は本当に安室ちゃんが好きなんだって思ったんだ。ゆ:たしかに、流行りの小室サウンドが好きだっただけの可能性もありますからね。私も初めて聴いた安室ちゃんはその曲です!柴:そう、自身であの道を切り開き始めて、まさに“Queen of Hip‐Pop”になっていく安室ちゃんが大好きだったの。ローライズのミニスカでガンガン腰を振って踊る、DIVA然とした感じ。「Baby Don’t Cry」もリリースされて。あれはもう、私にとっては一生のエンパワーメント曲。これは私感だけど、安室ちゃんの曲は安室ちゃん自身も歌いながら自分を鼓舞しているんだろうなという切なさがずっとある。常に戦って葛藤して、うまくいかないこともいっぱいあるなかで、それでもファンのために歌ってくれてる感じ。ゆ:安室ちゃんはあまり作詞をしてこなくて、歌詞で伝える人ではなかったから、ファンとしてずっと見続ける柴田さんだからこそ、そう感じるんでしょうね。柴:エクストリームなことをしたら超人的なDIVAになれているはずなのに、毅然として人間のままDIVAをやっているというか。あくまで私たちと同じ労働者。毎日仕事を頑張って、缶コーヒーを開けて一息ついている感じがする。ゆ:“安室奈美恵”という仕事をいつもやってくれていた……。柴:それを最後まで貫き通してくれて、人間の奇跡みたいなものを見させてもらった。ファンでいられたこと、本当に幸せだったなぁ。ゆ:安室ちゃんの楽曲、サブスク停止になったじゃないですか(2024年3月現在)。これからの世代が安室ちゃんを気軽に聴く術がないのは損失すぎますね。柴:サブスクの怖さだよね。安室ちゃんの偉業を後世に残すべく、カバーし続けなくちゃだね!しばた・さとこ1986年、北海道・札幌市生まれ。シンガーソングライター、詩人。2月に7作目となるアルバム『Your Favorite Things』を発売。現在リリースツアー中。ファイナルは5月31日の東京・Spotify O‐EAST。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年3月27日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年03月27日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。【前回までのあらすじ】能町みね子さんとの対談終了後、意気投合して2人で急きょカラオケに行ったゆっきゅん。そこで起こったこと、感じたことをエッセイにしてお届けします。その人がどう生きてきたか、伝わってくるのがカラオケ。私はカラオケで生まれて、それからステージに降りたったDIVA(依然としてカラオケには大学生かのように行き続けている……)という自覚がありましたが、人前で歌を歌うとは限らない精神性の意味での“DIVA”にとっても、やはりカラオケが最高のステージであることを思わされました。能町さんとゆっくり話すのは初めてだったものの、対談の後半、カラオケ観の一致によりカラオケトークで大盛り上がりして、そのまま銀座のカラオケへ。入店後即、念願の能町さんのChara同一化歌唱の「Violet Blue」を聴くことができたし、私が歌うChara「月と甘い涙」にはCharaでハモってくれて、面白くて幸せな時間すぎました。私たちは何の確認もなく、自分が歌う時の基本姿勢はソファに立ち上がった状態でしたし、CD音源通りのフェイクを完璧にこなしていました。歌い始めるとラッセン風なのかピクサー風なのかわからない海の生き物たちのカラフルなイラストがブラックライトで照らし出されるテンションの高い部屋は、別に曲の雰囲気を盛り上げるわけでもない。収録日がクリスマス直前だったのでJUDY AND MARYの名曲「クリスマス」をなんとなくYUKI意識の歌い方で二人で熱唱したりしました。なんか能町さんがリラックスしていつも通りの感じなのが伝わってきて、嬉しかったなあ。最高のステージでした。カラオケBOXおよびヒットソングは人間と人間の心の距離を確実に縮めることができる。歌っている時も最高に楽しい時間でしたが、ただの会議室で「カラオケについて話す」ということはもっとたぶん珍しくかけがえないことだったな!?とふと思います。能町さんも「カラオケって最高なのに、詩的でも文学的でもないから語られない」とおっしゃっていたように、カラオケの文化的評価は高くないというか、完全に見過ごされているものです。人の本棚見るの好きな人っているじゃん、いやそれも好きだけど、私は人がカラオケで何歌うかってすごく気になるんだよね。どう生きてきたか伝わってくるっていうか。だから苦手なんだよって人もいるか。まあ、これからも私はたくさんの人を久しぶりのカラオケに連れていきたいと決意を固めています。俺が生きる『カラオケ行こ!』だ。能町さんとはもっと真面目に話してみたかったこともたくさんあって……またおしゃべりとカラオケに誘わせてもらおうと思います。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年3月20日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)*次回からは、シンガーソングライターで詩人の柴田聡子さんとの対談をお届けします!
2024年03月20日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。能町みね子さんとの対談最終回です。みなさんはカラオケ、好きですか?今回は、カラオケ談義に花が咲き…!?カラオケは再評価されるべき最高のエンターテインメント。能町みね子(以下、能):カラオケって最高なのに、詩的でも文学的でもないから、語られないですよね。ゆっきゅん(以下、ゆ):“カラオケ全然語られない問題”ってありますね。カラオケが好きな歌手がマジでいないんですよ。公言しているのは大森靖子さんくらいなんじゃないかな。だから、なんかそれに救われてます。カラオケって、歌手の出自じゃないの?って思うんですけど……。能:ちゃんとすべての歌手のスタートであってほしいですよね。ゆ:歌手仲間と行くこともあるけど、久しぶりに会った女友達と流れで行くカラオケが一番楽しいです。友達の歌を聴くのも好き。知らない曲をフルコーラスで聴く時間だから。カラオケって。能:別に、無理に場が盛り上がらなくていいから、私も相手が知らない曲を入れたい。友人が歌った曲で、原曲を一回も聴いたことがない曲っていっぱいありますよね。ゆ:もうその人の声のバージョンだけで覚えちゃってる(笑)。能:あと、みんな機能をもっと使いこなしてほしい。私は、機種はJOYSOUNDで、後奏カット、ガイドメロディオフ、原曲キーにはこだわらない。ゆ:ガイドメロディってうるさくて自由が奪われますよね。能:あとはだいたいミュージック強め、マイクちょい抑えめ、エコー抑えめ。たまにマイクなしでも歌います(笑)。ゆ:地声で歌うのって気持ちよさそう。私は、みんなが座ってても靴を脱いでソファに立ちます。能:それはもう基本姿勢だよね。ゆ:私、高校生の時からカラオケで踊ってたんですよ。高校生って連帯感が大事だから、みんなが知ってる曲じゃないと入れられないムードあるじゃないですか。でも、踊りもあればみんな耐えられるんじゃないかと思って。能:それわかる。だから私もMC付きで歌う曲あるわ。もうエンターテインメントにしちゃうの。ゆ:サービス精神ですよね。能:カラオケって本当に見せ方がいろいろあるものだから、ただの宴会芸みたいに思われちゃうのは不満。もっと再評価されるべき。セトリ作ってカラオケでMC付きのパフォーマンスとかやったら、絶対楽しいと思います。ゆ:能町さんと話していたらなんだかカラオケ行きたくなっちゃった。これから行っちゃいません?能:流れで行くのいいですね。行きましょう(笑)。ゆ:近くにカラオケありますよ!能:機種はJOYSOUNDで!のうまち・みねこ北海道生まれ。文筆業。著書に、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』(共著、朝日出版社)、『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース通信社)、『皆様、関係者の皆様』(文春文庫)、『結婚の奴』(平凡社)など。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバー。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年3月13日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年03月13日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回も、能町みね子さんをお相手にお届けします。さて、あなたの人生に転機が訪れたのはいくつの頃でしたか?ゆっきゅんと能町さんには共通点があるようで…。ロックスターの伝説の逆で“26歳始まる説”を唱えたい。能町みね子(以下、能):ゆっきゅんのファンはどんな人が多い?ゆっきゅん(以下、ゆ):転職を考えている女性が多いですね。私を見て、自分にはもっと別に、自由に輝ける場所があるって思ってくれているのかも。能:背中を押してる感じだ。ゆっきゅんの曲は歌詞もそうだもんね。私は頑張っても作詞ってできないだろうな。ゆ:私にとっては文章のほうが大変。歌詞は基本的になんでもありだけど、文章は理路整然としてないといけないので。能町さんの文筆家デビューはブログですよね。能:実は最初から書籍化する気満々で、戦略がガチガチにあったんです。当時はブログ本が流行っていたからそこで話題になるのが早いかなって。文章も本当はトゲトゲしたものを書くんだけど、一般ウケを狙って柔らかくしたし。ゆ:当時、岡山の本屋で見たな。能:最初はセクシュアリティのことを書いていたから、次に出すなら他のテーマがいいなと思って。その後に書いた作品をバズらせたのも戦略的で、結構プロジェクトを組んできたんですよ(笑)。ゆ:戦略的なのは私も同じです(笑)。それって何歳の時ですか?能:26歳だったな。ゆ:私が“構想26年”って打ち出して「DIVA Project」を始めたのも同じ歳です!ちなみに川瀬智子さんがTommy february6を始めたのも、一青窈さんが「もらい泣き」を歌ったのも。いろんな人が26でバチッと決まることをやってるから“26歳始まる説”を唱えたいんです。能:“ロックスターは27歳で死ぬ”っていう話の逆でいいですね。そういえば私「歌手になるプロジェクト」をしたことがあるんです。といっても、歌手を目指している人のメンタルになってみるっていう。一人カラオケに行って、自分が歌手としてふさわしいか考えながら歌うの。それが本当につらくて……。あと全然キーが上がらなくて、やっぱり歌手になるならボイトレは最低限必要だなと思い始めて。人前で歌を歌うってやっぱりすごいことですね。ゆ:そう言われると歌うってなんか恥ずかしいことだったのかも。能:カラオケは許されるけど。ゆ:カラオケは喜びしかない。一人カラオケに客観性を持ち込んだらもうだめですよ。能:あと、歌手ってなんらかの個性がないと。そこにたどり着くための試行錯誤も気が遠くなって。ゆ:本気すぎる(笑)。でもカラオケは私も大好き。本当に尊い思い出しかないです。のうまち・みねこ北海道生まれ。文筆業。著書に、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』(共著、朝日出版社)、『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース通信社)、『皆様、関係者の皆様』(文春文庫)、『結婚の奴』(平凡社)など。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバー。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年3月6日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年03月06日ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回も、能町みね子さんをお相手にお届けします。能町さんが好きな(文字通り「歌手」としての)DIVAは、Charaだそう。Charaの不思議な魅力について盛り上がりました!“さん”付けしたくない、Charaという絶対的存在。ゆっきゅん(以下、ゆ):歌手だったら誰が好きですか?能町みね子(以下、能):Charaかな。Chara“さん”ってあまり言いたくなくて。私の中ではあくまでChara。ずっと好きです。ゆ:さん付けしたくないアーティスト、なんかわかります。能:ただ、何が良いのか聞かれるとすごい言語化が難しいんですよね。よくモノマネみたいな感じでCharaを歌っているんですけど、自分としてはモノマネではなくCharaそのもののつもりなんです。同一化というか。ゆ:憧れなんですかね?能:なんだろう、全然自分と違うタイプだからかも。なりたいというより、目指せない存在かな。ゆ:Charaからしか得られない“栄養”があるから、一生Charaの曲を聴くしかない。能:ずっと現役で活動されているしね。私は10代の時から聴き始めたけど、ライブに行くようになったのはむしろ30代になってからで。昨年、今更ながらファンクラブ(以下FC)に入ったんです。ゆ:10代の時ってFC入る発想ってなかなかなくないですか?私もあゆ(浜崎あゆみ)のFCに入ったのは数年前です。それまでは姉が入っていたから、チケットは姉に取ってもらってて。能:社会人になってお金に余裕が出てきてからだよね。FC限定のライブとかもそれで行けるようになりました。ゆ:Charaのライブに行くと、どこからマイクで声を拾ってるかわからない時ありません?マイクを下げて高音を出している時もちゃんとさっきまでと同じ音量で聞こえてくる。ウィスパーな声の歌姫のライブを観ていると、やっぱり自分の体を楽器として使うってすごいなと思います。能:やっぱりあの声の出し方だからカッコいいんですよね。ゆ:私もCharaの曲を聴いてるとこの曲を書くような気持ちになりたいって思うことがあります。能:わかります。共感とはちょっと違うけど、憧れはある。プライベートとか全然わからなくていいけどその気持ちだけわかりたい。ゆ:家の中からインスタライブをしている時も、ここどこ?って感じですもんね。私生活がまったく見えてこない。能:ゆっきゅんは、浮世離れした人にはならないんですか?ゆ:それは避けています。生活は謎だと思われてる部分もあるんですけど、歌詞とか活字上ではめちゃめちゃ生活感出てしまう(笑)。私はまだ神格化されることなく、人間でいたいですね。のうまち・みねこ北海道生まれ。文筆業。著書に、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』(共著、朝日出版社)、『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース通信社)、『皆様、関係者の皆様』(文春文庫)、『結婚の奴』(平凡社)など。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバー。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年2月28日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年02月25日今回は【FOREVER21(フォーエバートゥエンティワン)】から、ゆるっと感が可愛く、着るだけで一気にこなれスタイルになる「Vネックニット」を紹介していきます。さまざまなテイストに馴染むデザインで、スタッフそれぞれのおしゃれなスタイリング術が光っていますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。Vネッククロップドニット出典:.st短めの丈設定がおしゃれなFOREVER21のVネッククロップドニット。ニットの端はクラッシュ加工が施してありヴィンテージっぽいムードがおしゃれ。モケモケ感がアクセントになってくれますね。YURIさんは抜き襟気味にフロントをあげた着こなしに。あえてインナーを見せることでこなれ感が格段にアップします。ウエストを折り返したスカートとのあいだのちょっとした肌見せがおしゃれです。肩を落として着ても可愛い!出典:.st深いVネックが特徴的なこのアイテムはオフショルダーとしての着こなしも可能。おとさんのように片方の肩を落としてアシンメトリーっぽく着こなすのもおしゃれです。華奢な肩ヒモを見せたスタイリングは女っぽさが際立ちます。あえてアメスリのタンクをインしてヘルシーに着こなすのもよさそう。スタイリングの可能性が広がるアイテムですよ。気分を上げてくれるイエロー出典:.st同じアイテムのイエローはとてもビビッド! レモンのようにフレッシュなカラーで着用するだけで気分を上げてくれそうです。強い色と合わせると派手になりすぎるので、合わせるボトムスはニュアンス感のあるデニムがおすすめですよ。太ボーダーがオシャレ出典:.stボーダータイプの展開もあるこのアイテム。コンパクトなシルエットなのに、あえてボーダーは極太というこの組み合わせがおしゃれ。女っぽく見えすぎず、でもカジュアルすぎない、いいバランスを表現してくれます。あつさやさんのように甘いスカートと組み合わせるとニットのモード感が際立ち洗練された印象に。モノトーンなのでボトムスの色を選ばないところも優秀です。※すべての商品情報・画像は.st出典です。※記事内の情報は執筆時のものになります。価格変更や、販売終了の可能性もございます。最新の商品情報は各お店・ブランドなどにご確認くださいませ。writer:yuka
2024年02月25日あなたの中の“DIVA”を目覚めさせる連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回は、能町みね子さんをお相手に迎えた対談をお届け。話題は「あなたにとってのDIVAって誰?」。大食い女王・菅原さんに感じる“DIVA”の精神性。能町みね子(以下、能):私、自分の肩書にずっと迷っていて。たまにテレビに出たりしていますが、一応今は「文筆業」かな。ゆっきゅん(以下、ゆ):肩書って困りますよね。私は最近はなるべく「DIVA」にしてもらってます。能:いいものを見つけましたね。ゆ:注目されないと無理なんで。能:やっぱり自分をキャンペーン化するのは大事ですよね。ゆ:よく「心の中にギャルがいる」とか言うじゃないですか。私の場合は心にDIVAがいたので。能:私にとってのDIVAって誰だろうって考えてきたんですけど、思い出したのが「大食い女王」として活躍したフードファイターの菅原初代さん。昨年亡くなってしまったんですけど、本当に芯のある方という印象で大好きでした。ゆ:執着がなさそうなのにストイックな感じというか。能:“魔女菅原”という特殊なキャラで認識されてたと思いますが、テレビに求められていることを実直にしているだけで、全然踊らされてなかった。ずっと盛岡に住んでて、喋り方もテレビ化されることなくローテンションのままなところとか、ありのままな姿勢でテレビに出ていたのがカッコよくて。ゆ:菅原さんって髪色をピンクにされていましたよね。そこにもDIVAの精神性を感じますね。なんだかシンパシーを感じます。能:バリバリ目立ってDIVAらしくいる方もいいんですけど、目立とうとしているわけではないけど芯がある人にグッとくるんです。盛岡で営まれていたパン屋さんにもいつか行こうと思ってたんですが、結局行けないままで……。ゆ:求められることは仕事としてやって、やりたいことは別でやりたいようにやる姿勢、いいですね。若槻千夏さんにも感じます。服作りのときの機能性もデザインもディテールへのこだわりがやばいんですよ。アパレルの仕事を本気でやってる。でもトークスキルがあるからテレビでも活躍し続けてて。能:さすがですね。当たり前かもしれないけど、テレビって“ちゃんと”している人が出てるんですよね。たとえ世間的には嫌われているような芸能人も、実際には人当たりのいい人が多い。ゆ:また仕事したいと思われているから、出てるんですよね。能:あ、加賀まりこさんも好きだなぁ。「好きなお鍋は?」の質問に「(鍋は)食べません」ってピシャッと回答していたのをこないだテレビで見て、痺れました。ゆ:好きか嫌いかを聞かれて“食べない”って答えるのDIVAすぎますね、最高!のうまち・みねこ北海道生まれ。文筆業。著書に、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』(共著、朝日出版社)、『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース通信社)、『皆様、関係者の皆様』(文春文庫)、『結婚の奴』(平凡社)など。ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバー。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年2月21日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年02月21日DIVA・ゆっきゅんによる新連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。第2回目は、これからこの連載をどういうものにしていくか…読者の皆さまにお伝えします。anan読者はみんな頑張り屋さんで偉い!心にDIVAを宿した者たちに向けてお送りする「あんたがDIVA」。前回に引き続き、どんな連載にしていくかを考えていきたいと思います。ananってたまに「言葉のチカラ」特集があるじゃないですか。あれ、よくないですか?私は自分のキャリアを振り返ったときに、作詞が一つの転機になったと思ってます。普段からSNSで断片的に言葉を綴っているけど、それを歌詞にして「作品」として残したら、みんな真剣に受け止めてくれることに気がついたんですよね。だから今は自分の言葉を使って創作するのが楽しくて仕方がなくなっていて、その難しさも知っていく分、今まで見聞きしてきた歌手や作詞家たちへのリスペクトも止まらない状態。小説や映画も好きなので、それらの書き手に対してどうしてこんなにすごいことを書けるの?という気持ちが強く湧いてきています。特に私は個人的なことを言葉で表現に昇華している人が好きなので、その人の歩んだ人生がどう言葉に変換されているのかにとても興味を持っているんです。この連載では、私が会いたい歌手の方々をはじめ、言葉を生業にされている方々に直接話を聞いてみたいと思っています。スペシャルなゲストの方々がたくさん登場するので、楽しみにしていてください。勇気づけられたり、励まされたり。言葉ってちゃんと栄養になるじゃないですか。ananの読者像を私なりの独断と偏見でイメージしてみたところ、それは“仕事を頑張っていて疲れている女性”(もちろん性別問わずですが)だったんです。いや、別に疲れていなくていいんだけど。とにかくみんな、頑張り屋さんってことです。身を粉にして働きながら、その上で新たな情報を得ようとアンテナを張ってるって、すごくないですか?ちゃんと自分磨きも怠っていなさそう。もうそれだけでお疲れさまです、偉いよって言ってあげたい。大変な毎日をサヴァイブしながらちゃんと前を向くためには、やっぱり言葉の栄養が必要だと思うんです。篠原涼子さんが“OL”をしているようなドラマをずっと見てきたおかげで、恋に仕事に大忙しの「アラサー女性」(概念)を理想像としてずっと生きてきた私なので、そんなみなさんの気持ちや悩みを理解していきたい。実年齢もアラサーに差し掛かり、ますます日々を大忙しに燃やし続ける私が、言葉のチカラでみなさんに寄り添っていくのでこれからよろしくお願いします!ゆっきゅん1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバー。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun※『anan』2024年2月14日号より。写真・幸喜ひかり文・綿貫大介(by anan編集部)
2024年02月20日