羊文学、TVアニメ『【推しの子】』EDテーマは「混沌とした攻めの曲を提供した」
なので、たくさんの楽器が重なっていくようなものではなく、シンプルに。
河西:オープニングとエンディング、どちらもアクアの視点がありますが、人間らしさをひた隠しにしたのが前者で、後者は嘘のない姿。ダークなA~Bメロから、サビでガラッと感情が変わる展開も、それを反映したものです。
塩塚:そう。サビは幕が上がった瞬間に覚悟が決まったり、それまで抱えていた悩みがいったん吹き飛んだりする感じを出したくて。スポットライトが当たるだけで、すべてを忘れてしまう。アクアも舞台で感じているであろう、そんな不思議な感覚を再現しようと。
――『呪術廻戦』をはじめアニメの話題作に楽曲を提供している彼女たち。
物語と対峙するタイアップは、音楽面だけでなく人間的な成長にも繋がっていると語る。
塩塚:もともと、人の気持ちを想像するのが好きなので、『【推しの子】』のようにキャラの過去がしっかりと掘り下げられている場合、その感情を拾う作業はすごく楽しいです。それは、自分の過去を振り返るきっかけにもなるので。
河西:ファンタジーの場合でも、現実や自分たちと重なるところをすり合わせて表現しますね。これまで培ってきたサウンドと、タイアップで求められるものが交じったときに新しい境地に辿り着くこともあるので、それは面白いです。