日常に癒しを見出す。雪の美しさを堪能するための話【1月21〜24日】
天から降る花
雪には、花にまつわる多くの呼び名があることをご存知ですか?
「天花(てんか)」「瑞花(ずいか)」「風花(かざはな)」「銀花(ぎんか)」「寒花(かんか)」「牡丹雪(ぼたんゆき)」などなど、雪は昔から花にたとえられてきました。
まさに、雪は冬に咲く花ですね。中でも私がいちばん好きな呼び名は、「不香の花(ふきょうのはな)」。天から降る雪は、”香りのない花”という意味から付けられた呼び名です。
雪に付けられた数多くの呼び名からも、いにしえの人たちが、雪からさまざまな美しさを感じ取っていたことがわかりますね。雪が舞い降りてきたら、少しだけ立ち止まり、味わうように眺めてみませんか?きっと、あわただしい日常から少しだけ離れることができ、真っ白な雪に心が癒されるでしょう。冬の花を詠む心に見えるのは、春への「待望」
どんなに寒くとも、冬のあとにやってくるのは春。日一日と春が近づいてくる、そう思うと、空から舞い落ちる雪も桜の花びらのように見えるのは私だけでしょうか?
『古今和歌集』には、そんな気持ちを詠った美しい和歌が残されています。
「冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあるらむ」