プエルトリコのスラム街から学ぶ「消えゆく東京の文化」を守る方法。
そこで、住民は環境改善のために活発にデモ活動を行っているが、彼らの望みが叶い、浚渫作業が行われるとさらなる問題が発生する。「ジェントリフィケーション」だ。土地に興味のある産業の人間や資産家が、運河の問題さえ解決されればこの地域に経済的な価値があると見込んでおり、作業が終わるとたんに住民は追い出され、富裕層がこの地域を開拓し、占領することは目に見えている。
「みんな出て行く。でも私たちは此処に残りたい」
そんな中、スラム街とその住民を守ろうと、住民、市役所、そしてコミュニティ・ランド・トラストの団体が協力し立ち上げたのが『Enlance Project』。コミュニティ・ランド・トラストとは、世界中に存在する「ジェントリフィケーション」から地域を守るために活動している団体である。国や地域によって活動内容は異なるが、プエルトリコの場合、スラム街の土地を売却しもともと住む権利を持っていなかった住民に分配した。そうすることによって、住民が世代を超えて半永久的に住めるようにしたのだ。
環境や社会的な問題など、地域に関わる重要な決断に住民も参加する権利と義務がある。そして土地を狙ってやってくる人にはコミュニティ・ランド・トラストの人間が信念を持って対応する。