29杯目: “黒人”で、イスラム教。マイノリティの中でもさらに差別され、無視される「ブラック・ムスリム」でいることの辛さ。#BeingBlackAndMuslim |「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会
SNS上で「#(ハッシュタグ)」をつけて自分の意見を主張したり人々に議論をするよう呼びかけたりするハッシュタグアクティビズム。インターネットにアクセスできればほぼ誰でも参加できるので、これまでメインストリームのメディアで声を上げるのが難しかったマイノリティの人々が世界中から集まり、団結できる重要なアクティビスムの場となってきている。
今回29回目となるハッシュタグアクティビズムシリーズ『「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会』ではアメリカでもこれまでなかなか語られてくることのなかったマイノリティ、ブラックムスリムに注目したい。ブラックムスリムとはその名の通りブラック(アフリカンアメリカン)でムスリム(イスラム教徒)の人のことを指す。言うまでもなくアメリカは奴隷制度から、現在の警察の過度な暴力にいたるまで、ブラックへの差別の根は深い。一方、トランプ大統領の「イスラム教徒のアメリカ入国制限」からもわかるようにムスリムに対する排他的な態度も近頃大変な問題となっている。つまりブラックムスリムとはダブルマイノリティー、マイノリティの中のマイノリティなのだ。The Muslim Anti-Racism Collaborative (ムスリムに対する差別反対共同体)