「人が人を所有すること」は400年前よりも増えている。“奴隷”が現代社会で減らない理由。
グローバルサプライチェーンとは、原材料の調達から製造・販売までを、世界規模で行うことである。特定の国で大量生産し、その役割を分業した方が効率が良いため、そのような生産形態が現在でも続いているのだ。イギリスの経済学者によると、奴隷問題の発端にある人身売買は武器とドラックの次に最も儲かるヤミ市場だと言われている。(参照元:the guardian)現代では、一人の奴隷あたりの平均売買年間価格は数千ドルから数十万ドルで取引されている。具体的な業界としてファッション、美容、コマーシャルセックス、建設、農業、漁業などが挙げられる。
Photo by @krisatomic
2015年、イギリスではModern Slavery Actが制定された。これは一定の要件を満たす企業に対して、当該企業及びそのサプライチェーン上における奴隷労働、人身売買等の人権侵害の発生を防止する為の取組みの声明の開示を求めるものであり、企業の透明性を高めるものである。
Photo by @anniespratt
なくならない「貧困」
このように、奴隷貿易をめぐる環境は少しづつ変化を見せてはいるが、なかなか無くならない。というのも、この根本には「貧困」