#002 「食を楽しむより写真が大事?」お客さんに違和感を抱く26歳の寿司職人と“食の現代病”について考える。| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』
最近よく聞くこういう論調に「ちょっと待ったー!」をして締めたいと思います。なぜだか人間って、人間関係の中で生きていることを忘れがちだと思う。人間は、代替可能なモノではないし、他者不在の自由なんてない。他者がいなかったらお寿司出てこないのに、ね。だから「僕が売っているのはそれじゃないっす!」「自分も人間っす!」「目的として扱ってくれ!」って呼びかける権利はどこまでもあると思うのです。 なのでKさんの「対価をもらう以上、そういった関係になってしまうことは仕方ないのでしょうか?」に対して言いたいのは、仕方なくないよ!ということ。あまりにもモノ化してくる人が現れたら、カウンター越しに「“食”ってなんでしょうね」って問いを投げかけ、ドヤ顔でカント大先生の話をしながらお客さんと一緒に考えてみてください(お洒落な寿司屋でそんな野暮ったいことしないかな(笑))。
田代 伶奈ベルリン生まれ東京育ち。
上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。現在自由大学で「過去に向き合うための哲学」を開講中。Be inspired!ライター。Twitter: https://twitter.com/reina_tashiro
All photos by @hello.itsnoemiText by Reina Tashiro ーBe inspired!
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