人は集団のなかにいても「寂しさ」を感じる。「群集」をテーマに絵を描く男に聞いた、自分との向き合い方
彼からすると実際には向き合っていたつもりでいたが、思い返してみるとそれはまだ浅いもので、自分の描いた絵が何を意味するのかを理解できないでいたのだ。
本気で自分自身と向き合うときに感じる「恐怖心」
彼が自分自身と本格的に向き合うようになったのは、多くの作品を目の当たりにして、そうして自分を受け入れることでしか到達できない領域があると実感してからだった。
一年半か二年くらい前から土曜日は奥さんとギャラリー巡りをすると決めていて、巨匠から無名の作家までなるべくジャンルを問わず見るようにしていた。そのなかでアートの歴史に名を残す作品作りって自分自身と生涯向き合い続けるくらいの覚悟がないと成し遂げられないんじゃないかなって感じて。どこまで覚悟したんだろうとか、何を失ったんだろうとか。やっぱりそれだけ時間を割いて作るわけだし、それだけ何かを削っていかないと描きたいものに到達できないのかなって思ったんですよね。そう思ったときにまだ自分は浅いなって。だから成長しないとな、ってそんな感じだったのかな
あえて「表現者」だと名乗ることで、自分自身に自覚をさせる
インタビュー中のYuma氏の発言で、筆者が気になったのが「この先も描き続けていくことに、あえて使命感を持つようにした」