くらし情報『人は集団のなかにいても「寂しさ」を感じる。「群集」をテーマに絵を描く男に聞いた、自分との向き合い方』

人は集団のなかにいても「寂しさ」を感じる。「群集」をテーマに絵を描く男に聞いた、自分との向き合い方

2018年3月9日 08:55
 

今の社会を生きていくなかで「集団」というものに身をおくことは避けられない。特に、学校生活で「集団行動」が重んじられやすい、小中高時代は。その後大学などの学校に進もうと、働くようになっても似たようなことは多かれ少なかれ続いていく。社会で生きていくということは、何らかの形で「集団」と関わっていくことのようだ。

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絵を描いて生きていこうと決めていたけれど、あんまり覚悟については考えていなくて、行動するので必死だった。特に壁画を描いていたときは、ほかの人は依頼を受けて描いていたかもしれないけど、自分の場合は依頼が来ないから「壁に描かせてください」って聞いて、yesかnoの返事で決まる感じだった。そんなことを海外で度々繰り返していて、描くことに集中していたから自分の作品の概念とかはそんなに気にしていなかった。ただ制作するうえで妥協できないところはあったし、絶対仕上げるということは自分のなかで決めていた
描くことに対するエネルギーで溢れていたことは、決して悪いことではない。だが自分に言い訳をして気が向いたときにだけ絵を描く、展示が決まってから制作を始めるということもあった。そのときの彼に足りなかったといえるのは、「自分自身と向き合うこと」。彼からすると実際には向き合っていたつもりでいたが、思い返してみるとそれはまだ浅いもので、自分の描いた絵が何を意味するのかを理解できないでいたのだ。

本気で自分自身と向き合うときに感じる「恐怖心」

彼が自分自身と本格的に向き合うようになったのは、多くの作品を目の当たりにして、そうして自分を受け入れることでしか到達できない領域があると実感してからだった。

一年半か二年くらい前から土曜日は奥さんとギャラリー巡りをすると決めていて、巨匠から無名の作家までなるべくジャンルを問わず見るようにしていた。そのなかでアートの歴史に名を残す作品作りって自分自身と生涯向き合い続けるくらいの覚悟がないと成し遂げられないんじゃないかなって感じて。どこまで覚悟したんだろうとか、何を失ったんだろうとか。やっぱりそれだけ時間を割いて作るわけだし、それだけ何かを削っていかないと描きたいものに到達できないのかなって思ったんですよね。そう思ったときにまだ自分は浅いなって。だから成長しないとな、ってそんな感じだったのかな
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あえて「表現者」だと名乗ることで、自分自身に自覚をさせる

インタビュー中のYuma氏の発言で、筆者が気になったのが「この先も描き続けていくことに、あえて使命感を持つようにした」というもの。彼は自身の肩書きを定めていないのだが、アーティストや画家、表現者だと口に出すことで、日常生活で感じる「不確かさ」や「混沌」の先にあるものを追求し作品を生み出すという役割を自分自身に自覚させている。アーティストやフォトグラファーなど表現を職業とするとき、どこからが表現者なのかという境界線がわかりにくいが、名乗ってはじめてそうなれる、という側面があるといっても過言ではないだろう。

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ときには、世間のなかにもう少し溶け込んで“まぎれこんでしまえば”楽なのかもしれない、と思うことがあります。でも、実際は人との関わりが複雑な日常に溶け込むと、集団のなかの寂しさを抱えることになります。どのみち人は寂しさや疎外感を抱えて生きているのです。ただそんな気持ちを抱えているのは、生きたいっていう気持ちがあるからではないでしょうか?なので、それらは生きていくためには大事な感情だと思っています
彼の話してくれた「生きていくための大事な感情」という言葉には、他人がどうかという話ではなく、そんなことも含めて等身大の自分自身として力強く生きていこうとする彼の心情が込められている。彼はそんな思いをあくまでも個人的なことのように話してくれたが、それは多くの人にとって普遍的なものであろう。それぞれの人が疎外感や寂しさを抱えながら生きていてもおかしくない。大切なのは、一人ひとりがそれをどう自分のなかで受け止めるかではないだろうか。

Yuma Yoshimura

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秩序と無秩序、そして“群集”をテーマとした個展 「まぎれこんでしまえば – magirekonde-shimaeba」を3月10日(土)〜4月1日(日)に、彼が2009年から2013年にかけて発表した作品のアーカイブと、2015年から2017年始めまでに制作した未発表作品が展示される個展「逆走-gyakusou」を3月17日(土)〜4月1日(日)に開催します。

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