「エシカルってイメージは、単純にダサい」。大学生二人が“世界一透明なパンツ”を作って消費者に伝えたいこと
そこで「ラーメンを奢るから、一緒に起業しない?」とたいがが誘い、りりあんが二つ返事で返して話が決まったらしい。そんな起業の約束をするまでの短い会話のあとに「事業は衣食住なら衣がいいな」と話していた二人だが、そこで出た「じゃあ、パンツならおもしろいんじゃない?」という冗談半分のアイデアから、製造過程における情報をすべて公開する“透明なパンツ”One Novaの構想は練られていった。先ほどのように、りりあんがたいがの誘いに即答できたのも、出回っている商品の透明性の欠如や流行に流されて消費する文化など、互いが消費に対する問題意識を共有しており、信頼関係があったからだった。同ブランドは現在、男性向けのボクサーパンツを製造しているが、消費者が自分の普段の消費行動を見直せるような、製造の過程にこだわっていて透明性の高いものにすることを重視している。
透明性が高ければ、消費者が商品を選ぶ際の判断材料が増えるだけでなく、ブランド側にとっても利点がある。それは都合の悪いことをうまく言い繕わなくていいことで、非常に人間味が感じられる。この「透明さ」の側面も、「パンツ」という言葉との組み合わせがおもしろいと彼らは感じており、One Novaのパンツを“透明のパンツ”と呼んでいるのだ。